

あれも作りたい、これも作りたい、オトナだって遊びに行きたい、でも毎日やらなきゃいけないことはいっこうに減らない。息子はそんなことお構いなしに、平日も休日もなく起きている間は元気いっぱいです。プラモデルを触れるのは「おやすみ」のあと。じっくり長く遊びたいプラモデルもあるけど、参加したい展示会とか楽しみな新製品のおかげで「この日までに完成させておきたいな」というのがおぼろげに見えてきます。
ひとつひとつの工程をぬかりなくこなすつもりで工数を足し算していくと、きっと完成はどんどん遠のいていきます。そういうときは反対に、「完成の日」を決めて、ゴールまでの道のりを日数で割ります。眼の前にあるのはいちど色違いのバリエーションを作ったことのあるタミヤの1/20 ポルシェ935。使えるのは4日。さて、どうする。

組み立てたことのあるパーツが出てくると「おひさしぶり」という気持ちになります。こちらは強くてニューゲーム。どこで手こずったか、貼っていくとどこが見えなくなるのか、だいたい覚えています。さいわい、タミヤの1/20ポルシェ935はボディカラーとデカールワークが見た目の9割。シャーシ、エンジン、キャビンのなかはプラスチックの色のまま組んでも満足できる内容。まずはシャーシを組んで1日目の夜の終わり。

組む前に強い照明を当てて撮った白いボディのパーツ。どこからどう見ても、透けのないきれいなプラスチックです。複雑な形状を再現するために金型が特殊な方法で作られていて、すこし目立つ合わせ目(パーティングライン)がキットの誕生から流れた50年近い年月を感じさせます。これを削って滑らかにして塗装して……とやっていたらおそらく工程は2日ほど伸びてしまう。ぐっとこらえて、このまま進みます。自分のプラモだから、「やる回」と「やらない回」があっていいはず。

窓枠を筆で塗ったりノーズの下半分を赤く塗ったり、ちょっと難しいリアウイングの塗り分けをしたりで2日目の夜の終わり。白はプラスチックの地の色をそのまま使うから、塗料がちょっとはみ出ても爪楊枝やカッターでカリカリすればキレイに修正できます。なにより、そういう「手仕事」の微妙なヨレを忘れさせてくれる存在がレーシングカーの派手なデカール。マルティニカラーのポルシェを作る動機なんて、そのほとんどが「このデカールを貼りたい」って欲望なはず!

3日目の夜に向き合うのは「MADE BY CARTOGRAF」という心強い字が印刷されたイタリア製の最強デカール。発色良く、よく伸びて貼りつきます。全部貼るのに90分、デカールはパーツに乗せたら位置だけ調整して極力いじらず、軟化剤を塗ってひと晩寝ていればちゃんと乾燥していて、どんな曲面にもビタッと密着してくれます。

4日目の朝、光沢のトップコートを吹いてから仕事に行き、帰ってきたらドアノブや灯火類といった小物をチマチマと貼って、ボディのまとめ。シャシまわりの組み立て、ボディの色入れ、デカール貼り、最後に仕上げ。4日でゴールすると決めて、それぞれの日にできるのはたぶんこれくらいの工程だけど、それでもそこには完成したなという手応えと、カッコいいなと思えるポルシェ935があります。時間がないけど、完成の達成感はほしい。そういうときは、完成の日を決めてスケジュールを立てるのが効きそうです。そんじゃ、また。