

「動画編集ってできる?」と仕事でいわれた。Adobe Premiereは何度か操作したことがあるので「編集ソフトは使ったことがあります」と答えたら「じゃ、お願いね」と編集作業を任された。最後に触ったAdobe Premiereのバージョンは6。およそ15年ぶりの編集作業だ。
どうしたものかなと思いながら、最新版のチュートリアルをひととおりこなし、動画編集の進め方を考えながら週末に突入した。そうして休みの最終日、組み立て終わったヤークトタイガーを塗装しようと思い、ここを「汚したらいいじゃないか」「ここはハイライトを」とその瞬間瞬間の出来栄えを見ながらで進めていく。しかしこれがどうにも上手く行かない。

これは進め方が悪そうだな……と気づき、本棚にあったアーマーモデリング見ることにした。手に取った2023年7月号は「粗密」を切り口に戦車塗装の方法を掲載している号だ。序盤ページに掲載されている砲塔をまたぐ形で垂れ下がる予備のキャタピラがかっこいい戦車の作例が印象的で購入したのだった。
作例の塗装手順を改めて確認すると、最初の基本塗装から最後までどの部分にどういった意図の塗装をどのタイミングで行うのかをしっかりと工程として分けていた。これは何度も完成させることで確立された手順のように思えた。
そのページを何度も何度も読んでいたら、動画の編集の進め方がわかってきた。それは、現在塗装している戦車と同じで、行き当たりばったりでは時間はかかり、失敗のリスクが付きまとうが、工程を分ければ効率よく、ハイクオリティのものが出来上がるかもしれないということだ。参考となる動画を探す、撮っただけの動画を適宜カットする、打ちっぱなしの文字でいいからテロップを仮置きする、そしてそこから徐々に作り込んで行く工程も戦車の塗装のように分ければ上手く行くはずだ。

陰を入れたり、汚れを描いたりと気分で行ったり来たりしていた今までの自分でも、完成を提示されたうえで作成の手順を見ていると「この手順を守れば上手く行くな」と信じることができたし、これはプラモデル以外の、工程を積み重ねてひとつのものを作る動画編集のような作業にも通じることだと気づいた。
水色のかっこいい戦車を作りたいと思い塗装したヤークトタイガーは、今まででいちばん良い仕上がりで、工程を分けて塗装することが正しいことを証明するように堂々とした姿で部屋に飾られている。衝動のままにテロップやロゴを作り込みたい気持ちを抑えつつ「今は仮置き、今は仮置き……」と工程を意識した動画編集は無事に良い仕上がりになるだろう。