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【レビュー】「可動素子」でさらに楽しむフチコマの形と構図探索!/『PLAMAX 草薙素子withフチコマ』

 士郎正宗氏の口絵をモチーフに『攻殻機動隊』が「PLAMAX草薙素子 with フチコマ」としてプラモデル化!待望の原作版がキャラクター×メカの組み合わせによる情景的な構成で定評のあるminimum factoryのwithシリーズとしてリリースされるということで、一層話題のキットとなっています。

 1/20というスケールの中に凝縮されたキャラクターとメカニック造形、そして両要素が抜群のフィッティングで組み合わさって再現される。もうこれだけで大満足です。しかし!そこは常にアップデートを続けるPLAMAX、固定with固定だけではなく、さらに楽しめるポイントが用意されていました。それがキットに同梱されている「草薙素子(可動ボディ)」です。口絵のポーズを再現した固定素子に対し、ユーザーの能動的なポージングを必要とする可動素子。あなたならどうしますか?そんなメッセージが感じられるPLAMAXらしいアプローチですよね。今回はそんな可動素子で最新withキットをさらに楽しみましょう。

 口絵とこだわりのカラーレイアウトも目を惹く箱を開けると、「ああ、良い形…」思わずそんな声が出てしまうフチコマパーツたち。対象形に配置されたメインのランナー状態からもう既にこれは組み易いキットだ!ということが分かります。パーツ数は少なく設計されながらも魅惑のパーツたち。ポッドひとつをとっても、原作では構図などに合わせてさまざまな形で描かれてきたフチコマにあって、もちろんおまんじゅう型ポッドだって好きなのですが、ここはやはりこの口絵を基にしたラインでいこう!と選んだ製作陣のこだわりがありありと感じられます。

 ランナーからパーツを切り離してゲートなどを整える間、フチコマのパーツが指先にフィットすると、フチコマがプラモデルになったんだ…という実感を与えてくれるので嬉しさ増幅です。頭部の膨らみとセンサー部分の密度感、腕や脚部の抑揚のあるラインが末端でキュッとまとめられるスタイル…これです…これなんです…となりながら、90年代以降の後進メカデザインに忘れられない影響を与えてきた士郎正宗メカをじっくり観察できちゃいます。そうこうしていたらあっという間にフチコマが組み上がっていました。え!もう組み上がったの?…も、もうひとつ!もうひとつください!!と、すぐさまなってしまいます。このフチコマがあれば「〜版」に改造だって可能なのですから、何個でも欲しくなるのもやむなしなのです。ますます一般販売が待ち遠しいところ。さらにバトー仕様だってあるじゃないですか!机上に9課ラボが広がる光景も間近です。

 頭部のセンサー類にはそれぞれクリアーパーツを被せる構成になっていますが、クリアーパーツを被せる前にセンサーの内側をシルバーやメタリックブルー、メタリックグリーンで塗るとさらに口絵の印象に近くなります。Arrtxのアクリルマーカーにはメタリックカラー(30色セット)があるので、キャップを開けてサラッと塗るだけでフチコマ感が100倍に。クリアーパーツの接着には透明パーツが白く濁らずマーカーの塗料が溶け出すこともないセメダインのハイグレード模型用を使うのがオススメ。

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 フチコマを堪能したらお次はもちろん草薙素子。minimum factoryで培われてきたキャラクターのイメージを成型色でもしっかり出していくスタイルは、口絵モチーフ再現との相性ももちろんバッチリで、セピアな色合いとフチコマの赤とメタリックの組み合わせ方も秀逸です。素子も瞬時に完成。付属の瞳デカールもあるので不敵な眼差し再現も抜かりなしとなっています。合わせ目のラインがまた義体っぽくて良いのです。

 義体といえば、そうです。今回の主役、可動素子です。3色で再現されている固定素子に対し、可動素子はフレッシュ単色で素体然としたスタイル。ディテールも他イラストを取り入れたサイボークなテイストが義体感を強めています。「複製可能な身体(義体)」という攻殻機動隊に欠かすことのできないキーワードを固定と可動、2体の素子というキット構成で想起させるとは…さすがPLAMAX…。可動部は1/20でもしっかり可動範囲が設けられており、グリグリと動かせて任意の角度でしっかり保持できる嵌合です。ここまで用意してもらえたら、フチコマとの組み合わせポージングをやらずにはいられません!「可動素子withフチコマ」タイムです!

 ポッドのボリュームなども相まってフチコマは起伏に富んだ形なので、可動素子の合わせがいがあります。開放されたコックピットから身を乗り出す姿にしてみれば、ハッチのディテール、可動素子からのフチコマ頭部へという三段密度のリズム感が出て良し!片足をかけた自然な立ち姿だってできてしまいます。今回のフチコマのバランスはこれを見越した設計なのでは…とまで思わせてくれるぐらいに、伸ばした足がビシッとキマってかっこいいのです。

 さらに個人的ベストだと思ったのは座って足を頭部のロールバーへと流すスタイル、フチコマの量感に溢れた形が強調され、構図もグッとくるものに。撮影が楽しい……「攻殻機動隊」って文字を配置したくなります。

 腕に覚えのある方は、私の構図はこれだ!となったら流し込み接着剤で可動部を固定することもできますし、ここにエポキシパテなどで固定素子を参考に、あるいは独自の造形を追加するといった手の入れ方もできちゃうのです。
 そして、実際に手にして直に目撃していただきたいのが、可動固定の両素子を同時にフチコマへと配置するというアプローチ。義体に思考戦車という攻殻機動隊の作品イメージが一層際立った情景が出現するのでおすすめです!このように「攻殻機動隊withプラモデル」という2つの要素が融合した「最新の原点」を通して、皆さんもイチオシ構図を探してくだっさい。minimum factory、withシリーズの今後(他の!他の!士郎正宗作品はどうなんでしょうか!!)にも期待を高めながら、ぜひ『PLAMAX 草薙素子withフチコマ』を隅々まで楽しみましょう!

大森 記詩のプロフィール

大森 記詩

1990年生。彫刻家。美術大学在籍中から模型誌作例や作図などに携わる。現在は作家活動と並行しながら主に筆塗り作例を担当。合わせてミキシングビルド/キットバッシングによるSFメカニックを月刊ホビージャパンを中心に発表している。

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