

イタリアを代表する国民車……と言わんでも日本人なら全員が「ああ、ルパン三世で見たことある!」と反応しちゃうフィアット500(チンクエチェント)。次元や五右衛門がいっつも屋根からはみ出ているのはアニメ的な演出じゃなくて、マジでめちゃくちゃに小さい車なのだ。

コロンとかわいく、手のひらにすっぽり収まるコンパクトさはいかにもプラモデルに似合う。タミヤから再販されたプラモデルを手に入れれば、そのボディがどれだけ小柄なのか体感できるはずだ。「ほんとうに4人乗れるの!?」と驚いちゃうくらい。

プラスチックパーツはすべて薄いアイボリーにまとめられていて、ボディ後端に載せられるエンジンもこのとおり再現。リアハッチをオープンにしてエンジンを眺められる設計なのは、小柄でシンプルな自動車にある程度の組み応えを与えると同時に、このマシンの非力さと、それでも愛された理由を説明書に書かれた最高の解説文とともに味わえるよう配慮したからに違いない。

このキットの「神パーツ」はBランナーの5と6。屋根の上にあるキャンバストップを開閉2種から選んで取り付けられるようにしてある。オープントップのすがすがしさや軽やかさと言うよりも、最初に見せた写真のように「後席の人間が立ち上がったら簡単にルーフの上に体がはみ出してしまう!」というあの情景を思い起こさせてくれる。

惜しむらくは同スケールで普段着のイタリア人フィギュアが手に入らないことだが、それを嘆いても始まらない。そこに「開いた状態のキャンバストップ」があるからこそ広がるイマジネーションを片手に、あなたならではの色にこのクルマを染め上げてほしい。