

中古車情報誌を貪っていた大学生の頃は「金が稼げるようになったらちょっと古いクルマは買い放題だな!」なんて思っていたのですが、いざオトナになってみたら当時カッコいいと思っていたクルマは世界中で大人気になり、信じられないほど高い価格で取引されていてヒキます。ただ放っておけばオンボロになるクルマも、オリジナルを尊重してていねいにレストアする人やエンジンを換装してゴリゴリにカスタマイズする人がいて、そういうクルマはもっともっと値段が高騰します。すげえ時代だ。

タミヤが先日再販したルノー5ターボ、実車は二束三文になるはずもないほどのトンデモ・カーなのですが、キットの中身は1982年製(オレと同い年だ!)。いまの目でみるとだいぶ古く、高解像度なイマドキのプラモデルと比べると少々シンプルな構成。あっさり作るのには心地よい。しかしですね、あっさり作れるのはこの40年でプラモデル用のツールやマテリアルがすっごく進化しているからなんですよね。プラモデルがン十年同じ構成で売られていても、工具とか塗料がバキバキに進化しているから当時では考えられなかったスピードと快適さでガンガン作れる。これはプラモデルならではのおもしろいところです。

1980年に生まれたルノー5ターボを「レジェンデ アウトモビルス」という会社がスタイリングほぼそのままでめちゃめちゃ現代的な素材とパワートレインでレストア&モディファイしたのが「ルノー5ターボ3」というマシン。古い車のスタイリングを尊重しながら古びたところをていねいに修復し、さらに見た目ではわからないところを徹底的にチューンナップする手法は、「レストア(=修復)」と「モディファイ(=改造)」を合体させて「レストモッド」と呼ばれます。タミヤのルノー5ターボをどうやって作ろうか調べていたら、とにかく色がカッコいいので真似したくなりました。

5ターボのレストモッドをお手本にしてオリジナルの5ターボを塗装すると、そりゃ似合わんわけないし40年前にはどうやったって出てこないカラーリングセンスが目の前に出現します。瓶から出してそのままカッコいい絶妙な7分ツヤのグレー、吹けばイッパツでギンギンに発色するオレンジがかった赤。透明パーツを汚さずに貼れる接着剤やデカールをぴしっと貼れるケミカルの類……。
古いプラモデルも意のままに操れる道具を手にした僕たちは、レストモッドのビルダーたちと同じように「懐かしい外観に現代のパワーとセンスを込める」という仕事をしているのに違いありません。