

走れ! と言われても簡単に走りきれないこともある。趣味の限られた時間の中で「俺はこんなにもパーツのあるプラモを組むのか……買った時のテンションよカムバック!!」って脳が発するハッスル。確かに僕も早く形が見えて、すぐに達成感が味わえるプラモが大好きで主食となっている。でも、世の中のプラモはみんながみんなそうじゃない。けどね、プラモは一気に作らなきゃいけないなんてもんでもない。プラモに三日限りの掟は無いのだ。

今僕は毎日「30分」、ハセガワの1/72スケール ザブングルを組んでいる。パーツのボリュームもあるので「これはまとまった時間があっても、すぐには組み上がらなさそうだな」と思った。そこで、僕は箱根駅伝のように区間を分けて走ってみようと決めたのだ。目標を細かく設定し、1日の中の限られた「30分」と言う中で作る。実際に僕の今の仕事や育児では、好き勝手にプラモを組む時間は「30分」が限界でもある。だからこそ目標を甘くマイルドに設定して楽しむのだ。そのための道具の準備と、慌てない心の準備。これができればどんなプラモも楽しくなるって、今回ザブングルが教えてくれた。しっかりと歯応えのあるプラモだからこそだね。ありがとう、ザブングル。

僕の第一目標は、「1週間で腕2本を組む」だ。それくらいでいい。俺のペースなのだから。世界中にある似たような諺で「ゆっくり行くものは安全に遠くまで行く」なんてものがある。本当に良い言葉だ。今はどんな物事も早い。早さに乗ってばかりでは疲れるし、自分を見失う。そこに何か残るのか……。実際に僕の部屋に残っているものは、俺のペースで楽しんだものたちばかり。好きな本、好きな靴、好きなCD。プラモだけじゃなく、俺が俺のペースで歩んだ人生そのものだ。

今週は腕、来週は足のようなやり方で行くと、パーツの整形なんかもついでにやっちゃおうと言う気持ちにもなる。ゆっくりでいいし、「30分」と言う時間はやすりがけにもちょうど良い。1時間以上やってると指も疲れる。30分やって、手についた細かなプラ粉をジーパンでぱんぱんと払って終了。ジーパンも成長する(??)。そんな日常も良いのだ。

30分をスマホで測るのはやめている。通知が来たりして邪魔だ。俺の30分の集中を阻害しないためには「時計」が一番。G-SHOCKなら耐久性もあるし、塗料や粉がついても俺は気にならない。併用しているTIMEXにはグレーサフがついていて、それはそれでかっこよく「俺の時計」になっている。
そしてもう一つ。小さな目標を納めていく「箱」が必要だ。腕だけが机の上にゴロンとしていると、寂しいし、机の上に置いたままだと他の作業中に破損したり紛失したりする可能性もあるからだ。僕は100円ショップで買える持ち手付きのプラケースに作りかけのものを収納している。このサイズ、1/144や、ものによっては1/100のガンプラも1体綺麗に入るサイズで超便利なのだ。

細かな目標設定を立てて作っていったパーツたちが、少しずつ箱を埋めて行く。そんな様子も気持ちが良い。自分のペースで歩こう。30分集中すれば、何かしら形や結果が出て、「その日プラモを楽しんだな〜」って満足感が絶対に得られるはずだ。

腕と武器ができた。次はどの部位に行こうか。説明書通りに進む気はない。僕が作りたい箇所から、僕のペースでやって行く。ジロンに会えるのはいつの日か、エルチのように度々ヒステリーを起こしてしまうのか。僕のペース、僕だけの航路でハセガワのザブングルを作っていく。その結果は……さて。