

このプラモデルのえらいところは、「歴史上実在したと思われる生物としてのティラノサウルスの模型」とせずに、ユニバーサルの版権を取得して「映画『ジュラシックパーク』に登場したT-REXの模型」を製品化したことなんすよね。映画タイトルロゴがシャキーンとした彫刻で銘板みたいなパーツになっているのマジで嬉しいな。最近はいろんな映像作品のタイトルがアクスタになってたりするけど、古今東西の映画のタイトルがプラモデルのパーツになってたら絶対嬉しいよね。ジュラシックパークさん、おめでとうございます。

全長38cmのT-REXのプラモデルですよ。「ソフビとかPVCみたいな素材で再現すりゃよくね?」と思うかもしれませんが、片足しか地面に着いていないポーズですよ。中空のソフビなら細い後肢がグニャリと曲がってしまうでしょうし、PVCならとんでもない重量でやはり自立は難しいでしょう。さらにものすごいスピードで走っているところを再現しているので、重心が後ろ脚の接地面よりほんの少し前にあります(そのまま置くと前につんのめります)。プラモデルなら「軽くて硬くて台座に接着して飾れる」とイイことばかり。

そのかわり、プラスチックは起伏の多い表面に細かく入った小さな凹凸を再現するのが苦手。金型が上下に離れる以上、側面にオーバーハングを作るとパーツが金型から外れなくなってしまいます。このキットではひとつひとつのパーツをなるべく大きくなるよう(でも彫刻が損なわれないよう)巧みに分割しています。当然パーツ同士の合わせ目は曲線まみれになるので「こんなんちゃんと合うのかな……」と心配になります。

外皮のパーツがガッチリと組めるように、まずは胴体のコアになる部分を左右でドカンと貼り合わせる設計。ここでパーツがズレたり歪んだりしたら後の工程がてんやわんやになってしまうので、まるでジッパーのようなギザギザが左右のパーツの端面から飛び出していてこれらが噛み合い、確実な位置合わせと強度確保に一役買っています。

コアに外皮を貼り付けていくと、かなりビックリ!それぞれのパーツは素晴らしい精度でビシーッと合い、どこが合わせ目だったのかは作った人くらいしか分からないほど。そのかわり、ゲート(パーツとワクを繋ぐ部分)が少しでもパーツに残っていると隙間ができてしまうので、切れ味の良いデザインナイフやアートナイフで丁寧にゲートの跡を削り取りましょう。約束だぜ……。

ディスプレイベースは小さくて丸いT-REXのフットプリント部分だけのものと、車のレールや防護フェンスまでセットされた全長40cmあまりの大きなものが付属。イアン・マルコム博士(演:ジェフ・ゴールドブラム)がダッシュでおびき寄せる情景を「映画そのまんま」に再現できるのがスゴいんですわ。っていうか1/35のジェフ・ゴールドブラム、あまりにユーティリティプレイヤーじゃないですか。既発売のいろんな恐竜や戦車と組み合わせても絶対おもろいエクスプラスのT-REX、みなさんもぜひ。