特撮映画の金字塔のプラモデル/エクスプラスのサイクロプス!

▲模型の映画の模型。

 スクリーン投影と模型を組み合わせたストップモーション・アニメで特撮映画の世界を拡大したパイオニアの1人、レイ・ハリーハウゼン。そんな彼の代表作『シンバッド七回目の航海』に登場するモンスター「サイクロプス」のプラモデルがエクスプラスから発売されました。今!?そう、公開から65年経った、今です。65年の時間を航海してやってきた一つ目の巨人は、何を私たちに見せてくれるのでしょうか。

▲BIG!

 かなりゴロゴロと大きいパーツが、豪快に成形されています。胸と背中のパーツが同時に見えるこの配置を見ると、体皮の造形が前と後ろで変化しているのがよくわかります。トカゲやワニなどの爬虫類を意識していたのでしょうか。そういえばウルトラマンなどの特撮怪獣も、実際にいる生物の要素を抽出して組み合わせた造形が多々あります。そんなクリエイター達の観察眼によって脈々と作り続けられてきた特撮怪獣の歴史が、プラモデルのディティールによって思い起こされます。

▲頭部の分割、組み立て、エキサイティング!
▲ミノタウロスの様な獣足。モジャモジャな造形もGOOD!

 接着するパーツ同士がズレなく噛み合うように、両側のフチに互い違いの段差が設けられています。この組み立てには速乾の流し込み接着剤が最適です。下に置いた足は接着した面をこちら側に向けて撮影したものですが、接着面も目立たずキレイにくっついています。ただ、ニッパーでカットするゲート部分が丁度その段差にかかっているので、デザインナイフで上手く削ぎ落とす必要があります。若干手間ですが、難しくはありません。

 そして当キット最大のキモは、劇中シーンをイメージしたジオラマが付属している点です。オマケ程度かと思ったら、かなり精密で良く出来ていて、サイクロプスの巨大感を演出する比較対象として、最高の出来栄えです。このキットは「サイクロプスのプラモデル」というより「映画『シンバッド七回目の航海』のプラモデル」と言った方が正確かもしれません。キャラクタープラモであり、特撮映画のプラモデルでもあったのです。

▲囚われのシンバッド一味。

 囚われている人、よく見ると手が檻の方に一体で彫刻されていて、ガッチリ握ってる感が出る分割!目玉を凸で表現し、あんぐり開けた口も、悲壮感溢れるナイス演技力です。

▲5パーツで出来上がるホトケサマ。

 指やアバラまでしっかり彫り込んであり、凄くよく出来てます。コレを素材に、骸骨剣士を作るのも楽しそう……!

▲できました!結構デカいっ!

 全高25cm。迫力を感じる、良い塩梅のサイズだと思います。MacBookAirの後ろに鎮座させていますが、のそっと出てきた感がとても良くて、お気に入りのデスクの賑やかしになりました。

 あとひとつ面白いのは、1/35スケールと謳っている点です。映画で登場した巨大なサイクロプスのサイズを「正」として、その1/35の大きさで再現を試みているようですが、模型の巨人を撮影して作った映画の巨人を、小さなプラモデルの巨人にしている……なんとも面白い変換です。ところでこれは撮影でレイ・ハリーハウゼンが使った実際の模型と比べたら、何分の1の大きさになるのでしょうか。気になるところです。特撮にいろんな想いを馳せてしまいます。

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ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。