

日本の雄大な景色といえば……鉄塔です。広がる田畑、遠くに山並み、夕暮れに飛ぶカラスのシルエット、そして高圧線の鉄塔。ウルトラマンの大きさをわからせ、画面にディテールを与え、我々のノスタルジアを刺激するこの物体がいきなりワンパーツでズバーっとハコから出てきたら嬉しい。このパーツはエクスプラスより発売された「1/250 ウルトラマン(シン・ウルトラマン)」に入っている至高の名脇役です。

鉄塔から左右に伸び、高圧線を支持している部位は「腕金」と言うらしいのですが、それらもていねいにパーツ化されています。これだけでひとつの商品として売ってくれてもいいんじゃないのか、と思うほど愛おしい。幸い、この世には高圧線鉄塔(送電塔)のマニアがたくさんいるのでインターネットを調べると写真資料に事欠きません。

畑の畝が刻まれた土台があり、ウルトラマンの足がめり込み、固定される場所が彫刻されているのがわかります。ポチポチと開けられた穴に送電線や家屋、雑木林のパーツを取り付けて情景を作り込んでいくタイプのプラモデルです。『シン・ウルトラマン』は比較的新しい映画ですが、昔のアメリカのモンスター・プラモを踏襲したスタイルで立体化しているのがニクいね。

屋根瓦の造形もだいぶリアルで、一番左のひさしが欠けているところに真ん中の屋根が段違いに食い込む設計がまた嬉しい。ウルトラマンは組むとたぶんウルトラマンになるので「ウルトラマンだぁ!」とことさら驚かなくても大丈夫ですが、鉄塔とか日本家屋のプラモデルは少ないですからね。もちろんウルトラマンもいい出来なので、これは盆と暮れと正月が一気に来たようなプラモデルですわ。

キットのパーツをいちどに全部紹介するのもイキじゃないので、今回はここまで。はやく貼りたくてウズウズするプラモというのは、やっぱり演出がうまい。みなさんもすげーよくできた高圧線鉄塔(と、ウルトラマン!)のプラモデルを買って「知ってた?」といろんな人に教えてあげましょう。きっと「なにそれ、おもしろそう!」と食いついてくれるはずです。そんじゃまた。