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「機関銃の定義」が分かる立体教科書!タミヤ ドイツ歩兵 機関銃チームセット。

▲箱絵の濃さが70年代タミヤミリタリーミニチュア(以下MM)の魅力!! 今回は機関銃チームのキットです
▲米独の機関銃チームキットで、箱絵の構図がなんとなく韻を踏んでいるように見えます

 機関銃ってなんなんでしょうか? 英語で書くとマシンガンなわけですが、なんとなく鉄砲の形をしたものは大体マシンガンって呼んじゃいがち(「ザクマシンガン」とか)。しかし、機関銃にはちゃんと定義があります。

 防衛省規格 火器用語(平成21年改正版)を見てみると、機関銃については「脚、銃架などを用いて、安定した連続射撃を行うもので、小銃に比ベ射程及び持続発射能力が勝る銃。軽機関銃及び重機関銃に分類される」とあります。なるほど。「何かしら支持する装置に据え付けて使う、普通の小銃よりもバリバリ連射できる射程の長い銃」というのが、防衛省における機関銃の定義のようです。

 ということは、機関銃というのは銃だけでは成立しない武器ということになります。据え付ける装置を持っていかなくてはならないし、バリバリ連射するなら弾薬だってたくさん運ばなくてはいけません。一人で運用できるものではないなら、チームで協力して使わなくちゃいけない。そんなことを機関銃と自動小銃の区別も曖昧なガキンチョ(小学生の頃のおれですね)に教えてくれたキットが、タミヤの「ドイツ歩兵 機関銃チームセット」です。

▲みんな大好き編成図。「ドイツの歩兵部隊における機関銃とはいかなるものだったのか」を懇切丁寧に教えてくれます

 第二次世界大戦中、ドイツ軍が主力として使った機関銃は、MG34とMG42という二種類の銃でした。これは「汎用機関銃」というもので、防衛省の定義によれば「二脚架、三脚架、銃架などが使用できる多目的用途の機関銃」ということになります。初めから「据え置きでしか使えません」とか「手に持って動きながら撃つの専用です」みたいに使い方が限定されておらず、陣地に据え置きで使ってよし、部隊の動きに合わせて移動しながら撃ってもよし、車両に乗せて使ってもよしという、Nintendo Switchみたいな機関銃ということですね。便利そうだ。

▲箱の中身はランナー2枚。昔のタミヤのキットらしいパーツ配置です
▲このぐにゃぐにゃしたのが機関銃用の弾帯。指で曲げて形を微調整しないといけないんですが、小学生のおれはその過程でパーツを折りました
▲伏せ撃ちしているフィギュアは、ちゃんと服が平らになってます
▲MG34は3丁をセット。二脚を畳んだ状態のものはラフェッテに据えて使います

 そんな「汎用機関銃」とはどういうものかが一箱で理解できるのが、「ドイツ歩兵 機関銃チームセット」の面白いところ。箱の中にはランナーが二枚。フィギュアと武器・装備が同じランナーに並んだ、70年代のタミヤのフィギュアキットらしいパーツ配置です。主役の機関銃は一箱の中に四丁をセット。さらにその周辺機器や整備用の道具が入った箱もパーツになっています。

▲これがラフェッテのパーツ。繊細!

 で、その周辺機器の中には、なんか細いフレームみたいな部品が。これはラフェッテという機関銃用の三脚兼照準器でして、非常に凝った構造を持っているのが特徴。パーツ状態でも、なんかややこしそうな形なのがわかりますね。三脚がついているあたりは、汎用機関銃を題材にしたキットならではです。

▲立ちながら撃とうと思うと、2人がかりで担いで撃つしかないのです
▲弾帯ではなく、突撃射撃などの際に使われたドラムマガジンがくっついているのに注目です

 組み立てるとこんな感じ。MG34という機関銃は大変重く、スリングで吊りながら抱えて撃つならまだしも、「立ったままちゃんと照準器を覗いて一人で撃つ」というのが大変難しい銃です。というわけで、立射の場合は前側に立ったもう一人が銃身を担ぐ形で発砲することがしばしばありました。この前側の人の鼓膜は無事なのか気になりますが、そんなことを気にしていられないのが戦場というものなのでしょう。

▲本来はこうやって撃つもんだよな……
▲略帽もセットされているあたり、タミヤのサービス精神と「ドイツ軍にはこういう帽子もあったということを知らしめたい」という意志を感じます

 一方の伏せ撃ちは流石の安定感。横で寝転がっている弾薬手が、弾が引っかからず給弾されるようアシストしています。まあ、機関銃って重たいし、本来はこうやって使うものなんだよな……という説得力がありますね。

▲ラフェッテに乗せた機関銃はこういう感じです。前にくっついてる四角いものは、畳んで背負って運ぶときに背中に当たるクッション部分
▲この緊迫感! ムチャクチャかっこいいですね
▲軽く腰を浮かせているこの演技! ベタッと座っているだけでは出ない躍動感!
▲この双眼鏡アニキは、ラフェッテのチームに添えるとオシャレだと思います

 で、ある意味このキットのトロの部分と言えるのが、このラフェッテに搭載した機銃を操作してる二人。この軽く腰を浮かせて銃架を操作しているポーズの緊迫感といい、ラフェッテ自体の繊細な雰囲気といい、バッチリの仕上がりですね。後ろで双眼鏡を覗きながら観測している下士官の彼は、このラフェッテチームに添えると一番しっくりくる気がします。

▲なるほどこれが汎用機関銃……という風景です

 3つの機関銃チームを並べてみれば、なるほどこれがドイツ軍の機関銃というものか……と理解できるはず。移動しながら立って撃つ、地面に伏せて二脚を使って撃つ、陣地にこもって三脚に据えて撃つという三つの使い道を一つのカテゴリーの機関銃で賄ってしまうから、「汎用」機関銃なわけですね。非常に効率的な考え方ですが、その割にはラフェッテの構造がやたら複雑だったりするあたり、いかにもドイツ的。組んで楽しく、さらに題材となった兵器やその運用について詳しくもなれるという、70年代MMのいいところを詰め込んだようなキットでした。

しげるのプロフィール

しげる

ライター。岐阜県出身。元模型誌編集部勤務で現在フリー。月刊「ホビージャパン」にて「しげるのアメトイブームの話聞かせてよ!」、「ホビージャパンエクストラ」にて「しげるの代々木二丁目シネマ」連載中。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

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