
ブローニングM2重機関銃といえば、アメリカをはじめ西側諸国の装備としてお馴染みの重火器です。そして制式採用から100年以上を数えるクラシック中のクラシックな機関銃だったりします。いや100年て。生涯現役みたいな言葉が似合う、今でも活躍する機関銃です。

正確な名前は知らなくとも、「アメリカ軍の戦車の砲塔の上にちょろっと乗っかってる、なんか四角い機関銃」と言われればなんとなくお分かりいただけるのではないでしょうか。1/35のプラモデルになっちゃえば爪楊枝くらいの大きさです。
その名の通り、M2重機関銃を設計したのは天才重機設計家のジョン・M・ブローニング(1855〜1926)です。ブローニングは銃の弾薬自体から、拳銃、小銃、重機関銃に至るまで設計し、19世紀末から20世紀初頭にかけて大活躍した人物でした。その中には現在まで使われている名作も多く、20世紀の銃器開発史に巨大な影響を与えた人物と言えるでしょう。『ターミネーター2』でシュワちゃんがレバーをガッチャンガッチャンやって装填してた散弾銃も、ブローニングが設計したものだったりします。
その中でもM2重機関銃は、傑作中の傑作です。口径は0.5インチ、使用弾薬はもともと対戦車用として設計された巨大かつ強力な12.7×99㎜弾。部品を付け替えれば左右どちらからでも給弾でき、さらに車載用にしたり四連装にして対空機銃にしたり航空機に搭載したりと柔軟な運用が可能です。なんせ弾の威力がすごいので、戦車に車載火器として積もうが、飛行機の主翼の中に搭載兵装として積もうが、まず威力不足になることはありません。どこにでも搭載して柔軟に運用でき、さらに対人・対物を問わず強力な破壊力を持つ替えの効かない機関銃。それがM2ブローニングなのです。

1/35になっちゃうと大した大きさに見えないM2ですが、実物は全長165.4㎝、重量は38.1kg(銃本体のみ)とかなりボリュームのある巨大な銃であり、その分ディテールも多いです。そのあたりをきっちり再現しているのが、アスカモデルアクセサリー機関銃シリーズ「1/35 ブローニング M2重機関銃セット」なのです。今回見てみるのは、車載揺架つきのセットB。買ってきて組み立てれば、そのまま米軍の戦車などに取り付けられるキットです。

キットは袋入りで、中には2丁ぶんのパーツが入っています。大注目なのが機関部の前の方。銃身基部に穴の空いた銃身覆いがついているのがM2の特徴で、ここは本来ならば中身である重心とは別パーツになっています。キットではこの銃身覆いはスライド金型で成形されており、ランナーからは機関部ごと引っ張って外すことで、銃身と別体になった構造を再現。改めて機関部に銃身のパーツを差し込めば、銃身覆いと内部の銃身が層状になった立体的な構造となります。M2重機関銃は何度もプラモデルになってきた武器ですが、この構造を再現したキットはけっこう珍しい。みんなここを再現したくて、エッチングパーツに置き換えたりとか色々やってたところなんですよ、ここ。


巨大な12.7×99㎜弾も、ベルト型の弾帯となって付属。フィードカバーも開くので、給弾中を再現することも可能です。さらに銃身は抜いた状態のパーツもついているので、銃身交換中のシーンを再現することも可能。M2の動いてほしい部分は大体全部動くようになっているあたり、さすがM2のみの単品キットです。

組み上がってみれば見慣れたM2重機関銃ではあるのですが、ただやはり銃身覆い周りの立体感、「ちゃんと穴が抜けている!」という驚きは格別です。弾薬箱や機関部などの彫刻もシャープそのもので、古い戦車模型ならば機関銃をこれに置き換えるだけでビシッとするのではないでしょうか。車載用の揺架もついているので、組んだらそのまま戦車やジープなどに取り付けられるのも嬉しいですね。100年選手の大型機関銃を付け替えれば、砲塔の上がビシッと締まること請け合い。アメリカ軍・連合軍の車両を作る時のために、常備しておきたいプラモデルです。