「若年層向けのデコトラ入門モデル」と謳うミニデコNEXTシリーズが気になって仕方がない。色んな文化や組織が「ユーザーの裾野を広げる」とか「新たな世代を取り込む」といった対策を求められる昨今、どんなアプローチかと手にしてみると硬派が過ぎる内容だった。接着剤は必須で貼り合わせ自体に苦労も少なくなく、メッキパーツも瞬間接着剤と硬化促進剤を用いても四苦八苦する。ただ、このモチーフゆえか「ビッと気合入れてけよ!」と聞こえた気がして気合で組みきり、満艦飾が目の前に。写真も気合を入れたくて爆発エフェクト追加でカッ飛ばした。マジ気合入ったプラモだぞ、暗黒将軍。
布袋寅泰が苦笑いしそうなカーキャリアのギタリズム柄に「SHOUGUN OF THE DARKNESS」なのである。満艦飾の備えと相まって唯一無二の世界感が。空間掌握がハンパないので独自の演出をかもすディスプレイ什器としても活躍します。ナマイキ褐色な美少女プラモとのマリアージュが凄い。世界に誇りたい、我が国の新たなトラディショナルだ。
デコトラ満艦飾の一翼を担うメッキのカスタムパーツ。瞬間接着剤と硬化促進剤を用いればスムーズに工作は進んでいくのだが、メッキのハシゴの貼り付けには強い気持ちが求められた。苦しい時こそニヒルにほくそ笑む、それが粋な所作というもの。ただ、満艦飾の総量としてはハシゴひとつ欠けても問題はないとは思う。たが、歯ごたえを味わうのもプラモの喜びのひとつだ。
オマケの多いキットでもある。あまった満艦飾なパーツやシールでプラモや身の回りのモノをデコレーションしよう。伊賀の春で伊勢恋路を走るロマンスカーなので国道銀座とは名阪国道(国道25号バイパス)を指すのではないのかと推察できる。加えて関係はないが、満艦飾マコは俗語としての「満艦飾」にあらたな概念を加えた世紀のキャラクターだと思う。ハ~レルヤ。TRIGGER初のTVアニメである『キルラキル』の十襲年、おめでとうございます。
最後に。弾頭みたいな電飾パーツをつまむのに、デカール用ピンセットが絶好調でした。いつものツル首ピンセットでつまもうとしたら、眼前から射出されて次元の彼方へ旅立ってしまい帰らぬ人に。ピンセットの先に生じるフォースは、理屈が及ばないのでマジ宇宙の特異点。
さて、次は『あぶないダンプ さそり (大型ダンプ)』を手にしたいと思います。買う前から目に映るモノ全てが気になる……。お手頃価格も含めてセクシーが過ぎるぜ! ミニデコNEXTシリーズ!
「つくる」をテーマに、世間話をしています。