ピックアップ・タミヤMMフィギュア!まさにレジェンドグループの再結成!!「北アフリカ」よ再び!!!

 40年の時を超えて、全く同じ商品名のプラモデルがタミヤから発売されているのをご存知ですか? 「1/35 ドイツアフリカ軍団歩兵セット」は、MMが自らの本格的な出発点である北アフリカにもう一度舞い戻った、記念碑的なキットです。

▲「アフリカだから日光がすごい!!」というのが伝わってくる、大西大先生によるボックスアート。「制服の焼け具合が人によって違う!」とか「アフリカ軍団のヘルメットは塗装がハゲる!」とか、発見山盛り

 タミヤMMと北アフリカの関わりは大変深いものです。1971年5月、シリーズの初期にあたるNo.8のキットとして、突撃するアフリカ軍団の歩兵4人を立体化した「ドイツ アフリカ軍団歩兵セット」が発売されました。さらに1971年6月に発売されたシリーズNo.9「ドイツⅡ号戦車」ではII号戦車の横にまったく同じ4人が添えられています。

 このII号戦車はタミヤとしては初の動かない戦車。モーターライズで走り回るのが当たり前だった戦車模型の世界で、初めてディスプレイ専用として作られたキットです。

 つまり「車両とフィギュアのキットを組み合わせて、ディスプレイしたり情景を作ったりする」というタミヤMMのコンセプトは、アフリカ軍団の兵士たちとII号戦車によって本格的に形になったのです。その後も名作と言われるような印象的な北アフリカ戦線関連のキットが数多く発売され、北アフリカはMMの主戦場の一つとして現在に至るまで取り上げられ続けてきました。

▲昔は4人だったけど、40年経って1人増えました

 そんな「ドイツ アフリカ軍団歩兵セット」のリニューアル版といえるのが、2011年に発売された「ドイツ アフリカ軍団歩兵セット」です。なんと、旧版のキットと商品名まで同じ。人数こそ5人に増えたものの、片手を上げて合図を出す士官にMP40を持った下士官、弾薬とMG34を抱えた機関銃チームという構成もほぼ一緒。結成から40年が経ったバンドが初期のヒット曲をセルフカバーした、みたいな趣のキットです。

▲中に入ってるのはランナー2枚。オーソドックスな構成です
▲大戦前半ドイツ軍の装備品、実家のような安心感だ~

 箱の中身は、フィギュア本体の部品がまとまったランナーと装備品がまとまったランナーの2枚構成。タミヤのフィギュアキットとしてはスタンダードな構成です。北アフリカ戦は大戦の割と最初の方~中盤にかけての戦いなので、装備品のランナーも大戦前半の装備がまとめられたもの。北アフリカの砂漠っぽいサンドカラーで成形されています。

▲トリッキーなところがない分割かと思いきや、バックルと一体になった手榴弾に注目

 パーツ分割は3Dモデリング全盛期よりちょっと前の、「胴体、両足、両腕!」という感じでバシッと分割された形式。ただ2011年のキットなので、例えば腰のベルトに突っ込んだ手榴弾がバックルと一緒に別体になっていたり、拳銃は右手と一体になっていたりと小技が効いています。確かに、腰回りの装備品は体に密着していつつも立体感が欲しい部分。これはありがたい。あと、旧版アフリカ軍団歩兵セットのボックスアートと同じく、片手を上げて合図している指揮官がヘルメットにゴーグルを巻いているのも泣かせるポイントです。

▲俺についてこい!

 そんな士官の彼を組み立てるとこんな感じに。乗馬ズボンと編み上げのブーツが偉い人っぽさを漂わせております。こうして見るとベルトに突っ込んだ手榴弾から存在感が漂っていて、別部品になっててよかったなぁ、ありがたいなぁという気持ちになりますね。

▲ズボンがブカブカ! これぞアフリカ軍団!

 下士官の彼はMP40を携行。腰にはちゃんとマガジンポーチがくっついています。ブカブカのズボンと開襟のジャケットはアフリカ軍団の証!バシッと影を塗り分けられそうな深い服のシワもありがたいですね。

▲40年前にはいなかったのが、小銃手の彼
▲機関銃、重たそうだな~!
▲弾薬箱のハンドルをちゃんと握っているのが、地味に嬉しい

 機関銃チームの2人と小銃手の一般歩兵のみなさんも完成。暑い北アフリカで機関銃を抱えて走るのはさぞかし大変だったんだろうな……と苦労を忍ばせるポージングとなっております。見てわかる通り、アフリカ軍団の兵士たちの服装はヨーロッパのドイツ軍に比べてバラバラ、統一感がありません。特に足回りのバラバラ感はけっこうなもので、このラフさがアフリカ軍団の制服の面白さとなっております。それにしてもやっぱり暑いからか、全員荷物が少ないな~。

▲この、士官の後ろの振り返り方が完全に旧版のボックスアートなのよ

 というわけで全員揃うとこんな感じ。旧版「ドイツ アフリカ軍団歩兵セット」と比べてみると、驚くほど似通ったチーム構成になっている点や、彫刻やポージングがいかに進化したかがわかって面白いので試してみてほしい! 同じプラモデルのシリーズを50年以上続けているとこういうセルフカバーが成立するようになるんだなあ、という感慨すら発生するこのキット。是非とも新旧両方のアフリカ軍団を手に入れて「MMって長いことやってんだな~」と感心していただきたい一品です。アフリカはかっこいいぞ!!

しげる
しげる

ライター。岐阜県出身。元模型誌編集部勤務で現在フリー。月刊「ホビージャパン」にて「しげるのアメトイブームの話聞かせてよ!」、「ホビージャパンエクストラ」にて「しげるの代々木二丁目シネマ」連載中。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。