うわ、やっちまったかも……と思う。プラモデルの塗装にはそういう瞬間が結構ある。特に説明書などに書かれた指定色とは違うオリジナルの配色が上手くいかないと、信じるものがなくなるので不安が不安を呼び、気持ちだけが焦る。
なんなら塗る前の方が良かった、なんて後悔することもある。とにかく耐える時間といった感じで完成を急いで、失敗したことも何度かある。よりによってとても気に入っていたウォーハンマーのプラモデル、アンメイドで後ろ向きな気分になるとは思わなかった。どんな色にしようかじゅうぶん検討したというのに……。ただ、今回は色を検討するついでに製作環境も検討していた。途中でもかっこいいという状況が作れれば、何かあった時もしょんぼりしないで済むと思っていたからだ。
例えば、今まで使っていたステンレスのトレイをつや消しブラックのスプレーで塗ってシックな感じにしたり、塗装するための台座が9個必要だったので貯めておいたペットボトルの蓋を同じ色に塗装して、専用の道具のようにしつらえたりしたのだ。そうやって、耐えられる状況を作ると気持ちが落ち着いて来る。本当にちょっとしたことだけど、道具も含めてプロデュースすることでテンションが下がっても大丈夫な状況を作っていたのだ。
自分にとって良い状況を作ると、気持ちが落ち着いてくる。というか、気が散らなくなってくる。これは自分にとって大きな発見だった。そうして、集中した塗装作業に帰っていく。今は全体的に地味だけど仮面がターコイズブルーになれば大丈夫……大丈夫……とじりじりと進めていった。
こういう複数のものを塗装するときに私が失敗するパターンは一体だけを悩みながら二転三転と何度も塗り直してしまうとき。「失敗したかも」と思うと不安が焦りを生み、ついついそうしてしまう。そうして一体だけで精根尽き果てる。ただ、今回はトレイを塗ったりペットボトルの蓋を塗ったりすることで9体全部を同じ進捗で塗装していくことができた。
ターコイズブルーの仮面とオレンジ色の布にバイオレンスな身体を包んだunmadeは夏の暑さにやられたのか元気な発色。今にも海に飛び込みそうな見た目はなんだかポップで楽しそう。塗装が生み出す一体感を気軽に楽しめるのでウォークライをはじめとした少人数のセットは何度もチャレンジしたいところだ。
見てわかる、迷わず決まる配色アイデア 3色だけでセンスのいい色 見てわかる、迷わず決まるシリーズ
1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。