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デビューした瞬間からオレンジ!/刺し身で美味しいハセガワ ベレGのプラモデル

 ハセガワの「いすゞ ベレット 1600GTR 前期型(1969)」が完成しました。突然完成したのはボディがオレンジ色のプラスチックだったからです。これまでハセガワのカーモデルって「完全新規金型の新製品はボディが白かグレー」「バリエーション展開するときはボディのプラスチックに色がついている(こともある)」というのが当たり前でした(つまり色がついたボディが欲しい人はバリエーションキットの発売を待つ必要があったのじゃ)。今回は完全新規金型の新製品だけどいきなりボディがオレンジ色なので「ほぼ塗らんでもハコに近いイメージになるじゃん!」というのがうれしポイントです。

 車のボディ、自分の好きな色に塗りたいなら白とかグレーみたいな無彩色のほうがイイ、という意見もありましょうし、箱にオレンジ色の車が描いてあるんだからオレンジ色のものを入れておいてほしいなという意見もありましょう。どっちにも一理あると思います。俺も「塗りたい日」と「そのまま貼りたい日」があるので、なんならいつでもどっちか選べるようにしてくれるとみんなハッピーでしょうが、まあそれは贅沢というもの。今回はオレンジ色のプラスチックが皿に乗って出てきたので、そのまま食べることにいたしましょう。うれしいな。

 ハセガワのカーモデルはメッキパーツが繊細。ゆえに完成品が端正な佇まいになるとも言えるし、扱いにちょっと神経質な部分があって難しいとも言えます。カットは慎重に、接着には表面のメッキを剥がさなくても貼れるセメダインの「ハイグレード模型用」を使うのがおすすめです。

▲どうせほとんど黒で塗りますよね〜っていう室内のパーツも最初から黒!

 黒とオレンジのパーツが組み合わさると、塗っていない状態でもメカニカルな駆動系や排気系が浮き立って見えるので、下回りの組み立ても気分がアガります。実際はもっと細かな塗り分けがあるようですが、裏返して見るのでなければ「俺はあそこにあのパーツをくっつけたことを知っているぞ」という記憶が残ればオーケー。カーモデルはこのへんをスキップするとあとはボディに全集中すればいいから案外気楽に楽しめますね。

 ゴムとメッキモールがサンドイッチ状態になった窓枠はめちゃんこ塗装が難しそうですが、はっきりした彫刻と付属のカット済みマスキングシート、そしてハセガワが「ミニ クーパー 1.3i (1997)」の発売時に紹介した塗装法を取り入れることで比較的カンタン確実にクリアできるようになっています。ビビらずにやってみよう!

▲黒く塗ったほうがいいのはボンネットくらいのもの。丸っこくてパワフルなベレGのシルエットがGOOD!

 日本で始めて「GT」を名乗ったいすゞのベレG。ハセガワの繊細なカーモデルの組み味を、「色付きのボディと室内パーツの組み合わせ」でサクッと味わえる新時代のアイテムです。ゴージャスな塗装環境がなくてもイメージ通りカラーが楽しめるという意味ではより多くの人に開かれたオレンジのボディ。ホイールのツートンカラーも相まって、じゅうぶんに実感のある仕上がりだと感じました!みなさんも、ぜひ。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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