プラモのようにカスタムされるクルマを、ホントにプラモにしちゃいました/ハセガワ ミニ クーパー 1.3i

 今年の「意外性で超話題になったカーモデルオブ・ザ・イヤー」を選ぶならこのミニだよね。ハセガワは最近「ちょっと古い日本の乗用車」を実直にプラモデル化しまくっていて、かける曲かける曲フロアが爆発するアンセムDJのようにモデラーを湧かせていたのだけど、そこにいきなり差し込まれた”誰もが知ってるポップソング”!こういうムーブって、膝カックンからの「これ知ってる!」でみんなが再度盛り上がるアレだ。とにもかくにも、ハセガワが海外産の超有名な自動車を完全新規でドカンとプラモデルにするのはけっこう久々のこと。レッツパーティー。

 ミニというのはクルマに詳しい人じゃなくても「あ、ミニだ!」って指差してちょっとうれしくなっちゃうクルマだ。そんでもって、オーナーもそれをよくわかっている。古くから一貫したスタイルの外観はそのままに、内装は自分の部屋を飾るように思い思いのこだわりを詰め込む傾向にある。

 このキットの開発マンも「ミニって、オーナーが触るところ見るところを作り込みやすいのがおもしろいと思うんですよね」と語っていて、たとえばダッシュボードやハンドルはイマふうのものとクラシックなものがそれぞれ2種類ずつ用意されてるのよ。もちろん1997年製造型を先祖返りさせるようなカスタムというのは(保安基準とかもあるし)あまり現実的じゃない、ということをわかった上で、「カスタム可能なキャラクターモデルとしてのミニ」を楽しんでほしいという気持ちがこうやってパーツになっている。おちゃめだ!

 シートやドア内張りはグレーのパーツで用意されている。実車はけっこう複雑な色分けになりがちな部分だけど、サラッと楽しむなら(もちろんミニのオーナーでプラモデルを作ったことない人もたくさんいるだろう)、そのままでもじゅうぶん見栄えがすると思う。白いダッシュボードやハンドルは……どうだろうね。

 個人的には「ボディ以外は全部セミグロスブラックのプラスチック」という選択があってもいいと思う。作り込みたい人にとってはちょっといじりにくい色かもしれないけど、「ちょっとプラモ組んでみようかな」みたいな人にとっては貼るだけでそれっぽさがちゃんとある、という感じになるだろう。色を変えればターゲットになるお客さんも変わるんじゃないかな。

 エンジンは車体をひっくり返すと見えるところ、フロントグリルの奥にちらっと見えるところだけが立体化されている。排気管も含めてこれまた白なので、そのまま組むとちょっと実感がない。銀だったら嬉しいし、まあ黒でも完全にダウトにはならないだろう。白は何色にも染まるけど、そのまま放っておくにはちょっと厳しい色に思える。

 こちらは全日本模型ホビーショーのハセガワブースで撮影した完成見本。幸い白い屋根は別パーツになっているから完成後にポンと乗せるだけでもオッケー。ボディカラーは自分の好きな色を塗ってね……という意図で白くされているけど、もし叶うのならばこんな鮮やかな赤や深みのあるブリティッシュグリーンのプラスチックで作られたミニのプラモデルも手に取りたい。

 白いパーツを染め上げる楽しさと同じくらい、「組むだけでミニ!」の楽しさもあるだろう。いつか数多いるであろうミニのオーナーにおすすめするなら「貴方の愛車の色、ドンピシャでありまっせ……」とプレゼントしてみたいと思うし、いくつかのカラバリを組み合わせたりユニオンジャックをドーンと印刷したルーフのパーツを夢想したり。やっぱりプラモデルみたいな車は、プラモデルのいろんな遊び方を思い起こさせる。ハセガワの今後のバリエーション展開で、そんな未来が来たらすごく嬉しい。

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。