

ファインモールドがF-4シリーズを新規キットとして発売してから、もうすぐ3年。2021年まで現役で我々にもおなじみ日本のF-4EJ系シリーズや、開発国であり海空どちらにも配備された米国など、精力的に様々な形状や国のファントムIIを発売しています。生産数が5000機もあるだけに、バリエーションのネタには事欠かないですね。

1960年に運用が開始されたF-4ですから、日本では2021年に現役を退くことになりました。60年を超えているので無理ないよねという感じですが、実はまだお隣の韓国や、ギリシャでは現役のようです。そしてこのイランのF-4も現役の機体です。

F-4のあとに登場したF-14をイランが導入していることをご存知だという人も多いと思います(タミヤの1/48 トムキャットにもイラン空軍仕様が入って、さらに知名度を上げました)。イランといえば米国とはバチバチな関係ですが、かつては良好な関係だった時代もあり、その結果F-14トムキャットも導入して、現在でも現役で運用しているわけです(こちらもファインモールドの1/72F-14バリエーションとして発売されていますね。)。
そんなわけでイランは、F-14の前にはF-4をアメリカから買っていたんです。だからデカールにも、革命前のマークと、その後のマークが入っていたりします

しかしそのことを知っている人が多くても、イメージされるF-4はロングノーズのE型というかたも多いのではないでしょうか。しかしこのキットはショートノーズのD型です。イランは早いうちからひそかにF-4に熱視線をおくり、1967年には16機のD型を早々にゲットしています。さらに16機のD型を翌年に購入、32機のD型がイランに渡ったのでした。その後のE型はもっと大量の購入となり、177機もの導入がされています。

つまりD型はイラン空軍のF-4のなかでもレアな存在なわけで、ファインモールドがあえてこちらを製品にしたのは、相当マニアックなんです。そしてこのF-4のデカールには、革命前のIIAFマーキングと、革命後のIRIAFの2種類が入っています。イラン空軍が導入したこれらのF-4は、1980年に起きたイランとの戦いに投入されることになります。とくにD型は戦闘爆撃機としての役割が多かったようで、それがパッケージイラストのモチーフにもなっています。

組み立てはサクサクで、ファインモールドのF-4シリーズを何回も組んでいることもあってツルッと進んでいきます。細かいバリエーションのパーツを間違えないように先に整理しておくと便利です。さて、この機体の面白いところは「塗装」なんです。

砂漠を飛ぶ飛行機なので、上面は砂漠の迷彩色をかけているのですが、ファインモールドはなんとサンドイエローにMr.カラーの44番タン、ブラウンに43番のウッドブラウンを指定したのです。これらは普段木の表現として使われている色です。飛行機胴体に……木の色を塗る……?

でも指定の迷彩を塗っていくと、これが結構いいハーモニー。いや、どちらも木の色として使っているから大丈夫なのか……? 航空機の迷彩としてもしっかり役目を果たしている感じですよ。パセリみたいな緑色もまたいい感じに彩りを加えているじゃないですか。

F-4ファントムIIは見る角度によって様々に印象を変える、面白い翼の構造を持っています。またロングノーズとショートノーズでもシルエットが変わるので、たくさん並べると楽しいのがF-4です。何度組んでも楽しいファインモールドのF-4、今回のイラン空軍のレアなF-4Dはキットも限定品なので、まだ買えるうちにぜひ手に入れてください。知っている木の色が、面白い変化を起こす楽しい塗り作業が待っていますよ!