店頭でこの箱を見るたびに「中身はどんなものが入っているんだ……」と気になってしまう飛行機模型があります。それがマクロエースの1/48 大戦機シリーズです。箱からして駄菓子屋さんのくじみたいな感じで、博打感をより盛り上げてくれます。狙ってやっていたらマイクロエースの思う壺……手のひらで踊らされているフミテシなのです。
nippperでもこの中のキットは紹介されたことがあり、しかもどれも良い感じ。この機会に俺も作ってみようと思い「疾風」を買ってきました。ちょうど去年の今頃、鹿児島の知覧で実物を見ていたな〜なんて思い出も蘇ります。そしてレジに持って行った時に「え? これ1/48の飛行機模型ですよね?」と聞きたくなるくらい安かったのにもびっくりしました。
どんな疾風かな〜と開けた瞬間、「勝った……」て思いました。主翼や胴体に、「これぞ模型映え」と言える超メリハリMAXなリベットがこれでもか〜〜と刻まれています。もう、パーツを見ているだけで楽しい・幸せなプラモです。調べてみると、このキットは今はなき模型メーカー・オオタキが1973年に発売したもの。その金型を引き継いで発売されています。1973年って俺が生まれる10年前。その頃にこんな派手で、今見てもかっこいい飛行機模型を生み出していた開発マンがいたってことを思うと、胸が熱くなります。
レジェンドプラモらしさを伝えてくれるアニキもいます。飛行機のパーツと人のパーツでこれだけ差が生まれてしまうというのを見ると、人間をプラモに落とし込んでいくのは本当に大変なことなのだと実感します。現在の、まもなく人間! という精巧さのプラモたちも、このようなアニキたちの歴史の上に成り立っているんですね。
実際はこんなメリハリがあるようにリベットは見えないと思いますが、これは模型! リベットがたくさんあったら情報量も多くてかっこいいよね! という提案が、どストレートに俺たちに向かってきます。思いっきり受け止めましょうぜ!
実際に組み立ててみると、ちょこちょこすり合わせは必要です。でも現代の強力な流し込み接着剤「Mr.セメントSP」さえあれば、時代を一気に飛び越して、力技で組み立てられます。1時間もあればリベットバキバキの疾風が目の前にやってきます。
これは最高の刺身! 圧倒的リベットの存在感で、めちゃくちゃ強そうに見えます。買う時にどんなキットなんだろう〜って不安もあったので、完成後のこの姿をみると、よりテンションが爆上がりします。1500円以内で、1/48スケールのかっこいい疾風が堪能できますので、ぜひマイクロエースのBOXから疾風をゲットしてください。このリベットを見ながら飲むビールは最高でしたよ……。プラモを作って乾杯といきましょうぜ!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)