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お台場サンセットが導いたプラモ!手のひらサイズの素敵な模型「有井・マイクロエース 二式大艇」

そこにはかつて、戦後アメリカ軍から称賛された巨大な飛行艇がありました。場所はお台場「船の科学館」。レシプロエンジン装備の飛行艇として当時世界最高の性能を誇った傑作機「二式大艇」です。現在は場所を移し、鹿児島の海上自衛隊鹿屋航空基地史料館に展示されています。世界に唯一現存する貴重なものです。

▲海と船の文化をテーマにした海洋博物館。新交通「ゆりかもめ」「東京国際クルーズターミナル駅」下車、徒歩5分。今は南極観測船「宗谷」が当館のアイコンにもなっています


 船の科学館を通り過ぎる時の美しい景色は、僕に「二式大艇」を思い起こさせ、さらにはプラモを手に取らせるのには充分すぎるほどのものでした。そして僕は二式大艇のプラモを組んだことがありませんでした。日本機の中でもスペシャルな飛行艇なのに。その一因は大きさだったと思います。実機は全幅38m、全長28mというなかなかのサイズ。1/72スケールだと全幅約52cm、全幅約40cmにもなります。正直ビビってました。小スケールでないのかな?と探していた時出会ったのが、今回の模型、有井製作所・マイクロエース「1/144 大戦機 No.8 二式大艇」です。

▲イラストがグレーの額縁に納められたかのようなデザイン。PKGイラストも美しいです。キットの定価は1000円。世界最高を誇った飛空挺のオーナーに気軽になれるお値段です

 中身はLS社(エルエス)という1992年に倒産した模型メーカーの金型を引き取ったキット。引き取った金型はこれだけではなく、大戦機シリーズとして有井・マイクロエースから他の飛行機も多数ラインナップされています。早速中を見てみましょう。

▲パーツ構成は超シンプル。組む前から完成形の形がなんとなく見えます。そのようなプラモ安心しますよね
▲椅子があるから操縦席!! 1/144スケールなら僕は全然OKだと思います!このパーツだけ貼って、楽しい本体の接着に速攻で移れます
▲古いキットですが、パーツの合いもほとんど問題なし。昨今の速乾強力流し込み接着剤があればさらに問題なし!
▲フロートは足部分が一体整形になっているので、ずれることなく接着できます。主翼との接着面も大きく取られている優しい設計です
▲4発のエンジンも1パーツで成型されているので、カットしてプロペラなどを接着すればすぐ完成します
▲古いキットであり、金型のメンテナンスも難しい状況にあるのでしょう。バリだけが悩みの種です。落ち着いてニッパーとカッターで除去してあげましょう。これをクリアすればかっこいい二式大艇が手に入ります!!
▲胴体の貼り合わせの後に、主翼を本体にズブっと差し込みます。この瞬間でほぼ形になります。あとは細かいパーツを接着していくだけ
▲1時間半で完成!下面に3mmの穴を開けてアクションフィギュアの台座に接続できるようにしてみました。1/144スケールのお手頃なサイズ感は飛行状態で飾るのにもってこいです
▲モールドはくっきりとした凹モールド。全体のスタイルも古いキットとは思えないほどスマートです
▲人生初の二式大艇。機首から胴体への迫力あるライン。かっこいいです!!
▲1/72スケールの零戦と比較。零戦よりでかいですね〜

 今回は僕にとって2つの「お初」がありました。それは「二式大艇のプラモを組んだこと」、「有井・マイクロエースの大戦機シリーズを組んだこと」です。お店でよく見るこのシリーズがなんなのかわかっていなかった自分でしたが、プラモを組んだことで、このシリーズが模型なのかとか、コンパクトな中にも面白さが凝縮された1/144スケール飛行機模型の魅力などプラモからたくさんのことを教わりました。まだまだ模型店には楽しい模型が山ほどありますね。自分のフィールドになかったものと出会い体験したことを、これからもこのnippperを通してどんどん発信していこうと思います。そんな思いにさせてくれた有井・マイクロエースの二式大艇はとても素敵な模型でした。このシリーズの他の模型も組んでみます!!またね〜〜。

▲本当に組み上がると素敵な模型です。このような模型の金型がメンテナンスされてまた世に出ることがあれば…ついそんなことを思ってしまうほどの模型です。模型が大好きな僕たちが応援するしかない!
フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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