そこにはかつて、戦後アメリカ軍から称賛された巨大な飛行艇がありました。場所はお台場「船の科学館」。レシプロエンジン装備の飛行艇として当時世界最高の性能を誇った傑作機「二式大艇」です。現在は場所を移し、鹿児島の海上自衛隊鹿屋航空基地史料館に展示されています。世界に唯一現存する貴重なものです。
船の科学館を通り過ぎる時の美しい景色は、僕に「二式大艇」を思い起こさせ、さらにはプラモを手に取らせるのには充分すぎるほどのものでした。そして僕は二式大艇のプラモを組んだことがありませんでした。日本機の中でもスペシャルな飛行艇なのに。その一因は大きさだったと思います。実機は全幅38m、全長28mというなかなかのサイズ。1/72スケールだと全幅約52cm、全幅約40cmにもなります。正直ビビってました。小スケールでないのかな?と探していた時出会ったのが、今回の模型、有井製作所・マイクロエース「1/144 大戦機 No.8 二式大艇」です。
中身はLS社(エルエス)という1992年に倒産した模型メーカーの金型を引き取ったキット。引き取った金型はこれだけではなく、大戦機シリーズとして有井・マイクロエースから他の飛行機も多数ラインナップされています。早速中を見てみましょう。
今回は僕にとって2つの「お初」がありました。それは「二式大艇のプラモを組んだこと」、「有井・マイクロエースの大戦機シリーズを組んだこと」です。お店でよく見るこのシリーズがなんなのかわかっていなかった自分でしたが、プラモを組んだことで、このシリーズが模型なのかとか、コンパクトな中にも面白さが凝縮された1/144スケール飛行機模型の魅力などプラモからたくさんのことを教わりました。まだまだ模型店には楽しい模型が山ほどありますね。自分のフィールドになかったものと出会い体験したことを、これからもこのnippperを通してどんどん発信していこうと思います。そんな思いにさせてくれた有井・マイクロエースの二式大艇はとても素敵な模型でした。このシリーズの他の模型も組んでみます!!またね〜〜。
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)