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地獄の黙示録のプラモデル/超濃い味、ちょっとデカめのヘリコプターでベトナム上空を駆け抜けろ!

 パッケージ開けた瞬間「うわー!」と声を出して、店員さんもニンマリしながら「いいでしょう」のひとこと。「買います!」と宣言した瞬間に優勝したようなもんです。ルビコンモデル初のヘリコプタープラモ、1/56 アメリカ軍 ベル UH-1D/UH-1H ヒューイでございます。どうですかこの味の濃さ。オーバースケールだとかディテール過剰だとか、そういう話をしても始まらない。いますぐ組んで、この深く力強いリベットが落とす影を味わいたいじゃないですか。

 ルビコンモデルは戦車模型を世界共通スケールの1/35や1/72ではなく「1/56」というミニチュアゲームで広く普及している縮尺でプラモデル化してきたメーカー。1/35よりもふたまわり小さいけれど、豊富なラインナップと手軽にコレクションできるサイズ、そしていろんなバリエーションに対応するための膨大なパーツの選択肢で熱量を摂取できるのが魅力です。プラモ界のカロリーメイトですねこれは。

 そんな彼らがついに第二次世界大戦からフィールドをベトナムに移し、戦後メカ……しかもヘリコプターに着手したのだからさあ大変。ヒューイといえばブラックホークのお父さん。兵員輸送も対地戦闘も救急搬送もなんでもござれ、西側各国で使われに使われまくっている超傑作ヘリコプターです。このキットも8種類のバリエーションから選んで組むことができるので「組み立てる前にどこがゴールなのかちゃんと確かめておけよ!」と説明書に記載があります。

 ヘリコプターはプラモデルの世界だと「飛行機」と同じジャンルに分類されがちなので1/72とか1/48スケールが常道ですが、本アイテムの1/56スケールは「1/72だとちょっと小さいな」という感覚と「1/48だと手に余る大きさだな」という感覚のちょうど中間という印象。サイズのおかげで窓ガラスが胴体と別パーツ&外側からはめ込めるようになっているので、塗り分けの手間を考えなくていいようになっているのがめっちゃ嬉しい。

 さらにだな!1/56だとフィギュアの解像度がかなり高い。パイロット、コパイロットの2名に加えて猛烈にたくさんの種類から選べるさまざまな武装に対応したガンナーたちが「これでもか!」と入っていて、これまた表情が豊かすぎる。組んでフィギュア乗せて手に持ってバラバラバラ……と飛ばせば、まもなく『ワルキューレの騎行』が聞こえてくるわけですよ。はー最高ですねこれは。何機買ってもいいですね。

 ねえ組みたいでしょうよこれは。ツルッとしたリアリティよりもゴツゴツした戦闘ヘリの手触り。これぞプラモデルができる演出じゃなくてなんなのか。ああオレはいまとても興奮しています。ということでルビコンモデルのヒューイは「味濃いめ、ちょっとデカめ、さらにフィギュアがてんこ盛りでプレイバリューが無限大」の最高プラモですから、常に模型店に並んでいてほしい。無限に入荷してほしい。代理店の中の人、よろしくおねがいします。なんならいろんな仕上げのヒューイがズラッと並んだ展示会があってもいいくらいの、スーパーナイスプラモです。みなさんも、ぜひ!

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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