バリエーション豊富なドイツⅢ号戦車/ヤツを楽しみ尽くすプラモここにあり!

▲長砲身50ミリで砲塔側面に覗き窓が付いてるから…J型改修のL型初期生産車

 Ⅲ号戦車ってどことなくもの悲しさを感じる戦車だと思うんですよ。もともと主力戦車として設計されていたのに気付いたら「支援戦車」だったはずのⅣ号戦車に主力の座を奪われ、車体サイズの都合で武装強化も限界を迎えて戦車としての運用は大戦中盤まで。車体はⅢ号突撃砲として最後まで活躍しましたが、戦車としてのアイデンティティは奪われちゃった感じですね。大戦末期には訓練部隊に回されていた車輛もベルリン戦に駆り出されたりと健気に頑張り続けた姿が好きなんですよねえ。

 さてそんなⅢ号戦車ですが、A~D型は試作型の域を出ておらず、主力戦車として部隊配備が始まったのはE型から。主砲を37mm戦車砲から50mm戦車砲に載せ替え、装甲も分厚くなりました。短砲身だった50mm戦車砲もそのうち長砲身になり、最終型であるN型では短砲身75mm戦車砲を搭載しました。外見もちょっとずつ変化し続けているのも魅力的であり、キットも様々なメーカーからさまざまなスケールで出ています。

 そんなバリエーション豊富なⅢ号戦車のプラモデルの中でちょっと面白いものが出てましてですね……ルビコンモデル製の1/56キットなのです。ルビコンのⅢ号戦車は三種類出ており、E~G型まで(初期)、H~N型まで(中後期)、アンテナ追加した指揮戦車の派生型まで網羅しており、しかもそれぞれ細かいバリエーションもフォローしているため様々なバリエーションののⅢ号戦車を作る事が出来ます。

▲みっちり。
▲今回作ったH/J/L/M/N型の場合はこういう事です。ハイ。これらのうちの、どれかが作れる。

 例えば上の画像でN型を見てもらうと砲塔と車体にシュルツェン(増加装甲)が付いていますが、コレってN型の装備品ではなく戦場で現地改修で取り付けられてるのでJ型に装備する事も可能だったりするんですね!そういう細かなバリエーション展開の為にランナー眺めているとなかなか面白い事になっております。

▲似たようなパーツがいっぱい入ってるよ!箱にみっちり入ってるはずだよ!

 もうねランナーの状態で「あ、これは〇型用だ」とか「このパーツどこが違うんじゃろか…」って考えたりするのがチョー楽しいんですよ。お酒飲んでると判別付きにくいのでここはシラフでいきましょう。お酒は組みあがってからね!

▲こういうところは好きですよルビコンモデル。

 履帯は一体パーツなんだけど正面から見える範囲はスライド金型を使ってギザギザのディテールを再現してたりしてます。以前バレンタイン戦車を紹介した時にも触れましたが、もともとはテーブルトップゲームの駒として開発された経緯もあり、パーツも積極的に一体化して組み立てやすさを優先したり強度を増したりしてるんですが、そんななでもここだけはスライド金型を使う事でディテールを両立してる。好き。

▲J型熱帯地仕様で組んでみた。

 組み立て自体はそんな難しくないんですが、今回の話のネタでもあるバリエーション豊富なキット故にパーツ選択を間違えやすいので要注意。もちろん説明書には詳しく書いてあるけど日本語では記載されてないから気を付けよう。まずは自分が何型を作るかを先に決めておかないと途中でこんがらがるけど、「あの型式も作りたいしこの型式も気になるなあ」とめっちゃ悩むんです。ぼくも悩みました。このJ型だって断腸の思いで選んだんです……ごめんね使わないパーツたち……。まあまた違うやつを作るために買ってくればいいよな!

▲組み立て終わったはずなのに。

 そう、組み上がったのにこれだけのパーツが余るのだ。基本はパーツは接着するのであとから差し替えとかは出来ません(非情)。体積だけでいったら完成品よりも多いんじゃないかこれ…!なんかすごくもったいない気持ちにもなるけど、ここまで差し替えてパーツを余らせようがバリエーション展開を考えてくれるルビコンモデルの真摯な姿勢が見えてくるじゃないですか。ありがとうルビコン!乾杯しようぜ!今夜は晩酌しながら何色に仕上げるのかまた悩むとしましょうか。

内藤あんも
内藤あんも

1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。