「コーヒーバーニッシュ」っていう、めちゃくちゃおしゃれな名前の茶色がある。Tricker’sというイギリスの靴メーカーの革の色の名前。それ以外にもエスプレッソとか、パリジャンブルーというイメージが湧くような色名の革がたくさん。好きな色の革で好きな靴が作れるオーダー会も定期的におこなわれている。
革の見本帳を見て「こんな色あるんですね」なんてお店の人に話すと「昔はお店に並んでいたんだよ」と教えてくれることがある。そんな「昔あったイケてる色」こそが S30 フェアレディZのサファリブラウンだと思う。
派手なボディカラーに目を奪われて、忘れてしまいそうなのがホイールの色。これも本当にかっこいい。無難な色というわけではなく、細部までサファリブラウンを活かすために目が行き届いている感じがする。
ボディ単体だと「派手だな」と思う色だが、バンパーやらミラーがくっついてくると、全体が引き締まってくる。車の形がかっこよいのもあって、派手さは奇をてらったけばけばしさではなくて、特別さをアピールする色でもあるような気がしてくる。
「うわーキレイな色」からの「これが車になると、こんな感じか」がすぐにわかるのが、アオシマの楽プラシリーズの面白さ。特にシールを貼らないと本当に早いし、プラスチックの統一された質感にメッキがアクセントになるこざっぱりとした塊が出来上がるのも楽しい。
そういえば、同じシリーズのスカイライン 2000GT-Rにもサファリブラウンがラインナップに入っている。サファリブラウンって「 S30フェアレディZのイケている色」ではなくて、もしかすると「日産のイケてる色といえばコレ!」だった時期があったのだろうか。
サファリブラウンの車が欲しいと思ったときに、無骨なデザインのスカイライン 2000GT-Rと、流線型のS30フェアレディZの2つから選べたのだとしたらどちらかを買っている気がする。そんなぜいたくな悩みに対して「どちらも買わない」ということは無さそうなくらい、色名も、色も気に入ってしまった。