大口径自走砲といえば第一次世界大戦中には戦場に登場している車種。大型の野砲は陣地に据え置いてバカスカ撃つのならよいんですが機動性に欠けます。それなら戦車などの車輛に搭載しちゃえばいいんじゃないか? という事で生まれたのが自走砲と呼ばれる車輌です。
大きな世界大戦を二つ経て、戦後米軍もいくつかこのテの自走砲を作りましたが、ベトナム戦争以降米軍に正式採用されて長く使われているロングセラーな車輛がこの「M109」です。
M109 155㎜自走榴弾砲は1962年から量産が始まります。そしてバージョンアップを重ねて今でも使われているんです! 当初は短砲身155㎜砲を搭載していたけどのちに長砲身化。現行のM109A6パラディンは、砲塔も二回りぐらい大きくなってほぼ別物となっています。車体は一緒なんですけどね!
キットはイタレリ製、元を辿れば1983年製の古参キットがベース。実車通りプラモも改修を重ね、様々なバリエーションが展開されてますねー。タミヤ版パッケージでも3種類発売! 今回は無印のM109、A2、A3、Gと4種類作り分けられ、デカールも5種入っているという大盤振る舞いなキットとなっています。
大元としては設計時から40年近く遡れるキットですが、ぱっと見は全然古さを感じさせません。まあ正直パーツの合いやヒケなど、それ相応の年季を感じさせるキットではありますが「いやムリ!」ってレベルでは全然ないですよ!! ハイ。
特にこのジェリカンの文字と固定バンドがかかって、文字が半分ぐらい隠れちゃってるところの表現なんかはすごく「今風」だなあと感心するのであります。
大口径砲を搭載している以上、砲撃時の反動はハンパない強さ。それを抑えるスペード(鋤)が車体後部に取り付けられています。このパーツこそ。自走砲らしさを演出してますねーなんて思ったりしちゃいます。キットは降ろした状態にも組めるのでジオラマにする時なんかは地面にめり込ませたくなっちゃいます。
車体や足回りを組み込んで砲塔を組み立てた後、このキットは究極の選択を迫られるのだ!!! そう、砲の種類をね……! 正直短砲身も色々捨てがたいんですが(展示する時もコンパクトなんだよね)、今回は長砲身のA2/3で組んでみるよ!
いや長えな!? 33口径は伊達じゃないぜ!!! 砲を水平にしている時もぐいっと上げた時も、とりあえず長い。迫力満点であります。因みにキャタピラは2種類入っており、作る仕様によって選択するカタチ。さらに瞬間接着剤で固定出来る素材なので助かるー。自然なカーブを描くように注意して接着していくとさらにカッコ良くなりますよ。
組み立て完了後の感想としては……例えばM2重機関銃やスコップなどのOVMは正直古さを感じさせるものではあります。ここらをちょいと最近のキットのパーツと取り替えたりすると、キリっとするかなあと考えちゃいますが、このイタレリ製キットの「どこかしら懐かしくて楽しい」商品をそのまま楽しむってのもやっぱり面白いです!! さてどの塗装パターンにするかなー。わくわくする!!