手元に置きたいカタチと色を探す/タミヤのナースホルンで楽しむ「プラモ遊具化計画」

 タミヤの1/48ナースホルン、絶大に褒めたいのは履帯(ようはキャタピラだ)のバチバチ具合。よく見ると後ろからふたつめの上部転輪に小さなちいさな突起がある。ここに履帯のパーツに開けられた穴をカチリと合わせると、あとは魔法のようにピタピタピターっと貼る位置が決まっていき、自分でグニグニ調整しながらカタチを整えなくても凛々しい姿が現れる。菩薩〜。

 黒い軟質素材でできた、いわゆるベルト履帯をグルンと巻いて終わり!というのもかなり好きだが、こんなに迷いなく貼れるのなら、重みで少し垂れ下がった表情まで誰もが楽しめる硬質なプラスチック製の履帯も悪くない。ハァ難しいことを言ってしまった。ところでこの自走砲、こんなに組んじゃってどうやって塗装するんだい?

 とくにプランもないまま、ひとまず手近にあった白で塗りたくってみた。タミヤの完成見本は迷彩塗装されたナースホルンに白い冬季迷彩を微妙なニュアンスでもって重ねたものが用意されていたが、ただこうやって白をドバーッと吹いた状態でもまったくの冬季迷彩に見えることに気づき、「えっ、これでいいのでは……」などとうろたえる。冬季迷彩みたいな文脈を知らない人でも、白いオブジェと化したナースホルンは紙細工や石膏像みたいなものと同じカテゴリで捉えてくれそうな魅力がありゃしないだろうか。いや、あるね。

 白で終わらせても良かったのに、側面の装甲板がかなり広くて平らなのにワクワクしてしまい、手持ちのグラフィティデカールを貼ってみたい欲求に抗えなかった。グレートーンにも見えるシルバーと合わせるなら、正解は黄色でしょう。PANTONEが提唱する今年のトレンドカラーは陽気なイエローと落ち着きのあるグレーの組み合わせだし。それにしても、GSIクレオスの「Mr.カラーGX キアライエロー」の発色はすごい。ドカンと吹けばドカンと黄色くなるというのは楽しくてしょうがない。みなさんも黄色を吹きましょう。元気になるぞ。

 デカールを貼って、ちょっとダラけた姿勢の兵士を散りばめたらカンペキな画になってしまった。1/48の歩兵たちがグレーの成型色で本当に良かった!と思えた瞬間。公園の遊具みたいに色とカタチが部屋の空気とマッチするようにデザインしてあれば、こんなふうにお気に入りのテーブルフォトを撮ることだってできる。プラモというのはある種の彫刻であり、どんな色にもできてしまう、すごくワガママな遊びとしても優秀なんです。

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。