帽子の似合う大人ってカッコいいと思う。それがハットともなればなおさらです。さてここにあるのは白いハットのプラモデル……ではなく、バンダイスピリッツから発売されている仮面ライダースカルのプラモデル。
吉川晃司演じる鳴海壮吉が変身する仮面ライダースカル。劇中では、変身するときにソッとハットを脱ぎ、変身。仮面の上からまたハットを被り直すシーンが印象的でした。フィリップ・マーロウのようにハードボイルドな探偵の彼にとってハットはトレードマーク。そんな重要なものですから、プラモデルでも気合が入ってます。
ハットの上の部分をクラウンといいますが、クラウンに溝がついていて専用の持ち手を使ってポーズをつけられます。驚いたのはハットを頭に保持するやり方。頭部パーツには小さな凹みがあり、ハットのこれまた小さな凸部分にぱちっとハマります。これを組み立てた人は誰でも、劇中のような微妙に前へ角度のついたハットの被り方をさせられるのが素晴らしい。
例えばこれがアクションフィギュアなら、ハットを軟質パーツにしてグッと嵌め込めるようにするとか磁石を仕込むとか、そういう方法をとる気がします。しかしこれはそうじゃない。あくまでプラスチックの噛み合わせのみでできることをやろうという気概が感じられた気がして、プラモデル好きは嬉しくなります。
ちょっと渋い銀のメッキも既につや消しの黒のパーツもすごく綺麗で、塗装をしなくても特撮のスーツのようです。僕はハットだけつや消しのスプレーを吹いて布っぽさを表現してみました。逆にベルトなんかはそのままだとプラスチック感があってちょっとチープに感じますが、ベルトや武器は細かなディテールが入っていて塗装をしたりドライブラシをかけたり墨入れしたりするのがすごく映えそう。
マフラーも真っ白ですが、筆塗り塗装で古びた布を表現するのも楽しそうです。塗装しなくてもカッコいい仮面ライダースカルは手に入りますが、実際劇中では頭のシルバー部分も少し黒でグラデーションが入ってたりするので、自分なりの表現を入れ込む余地も十二分にあります。だって特撮はアニメのような絵じゃなくて実際にあるスーツですからね。
ちなみにハットはこういう被り方をすると型が崩れるそうです。いや無粋でしたね、だってハードボイルドなんですから。