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たしかにクウガはそこにいた/Figure-rise Standard トライチェイサー2000

 人語を解さず、ゲームと称して人を襲う怪人グロンギ。それに立ち向かう戦士クウガ。

 仮面ライダークウガは画面に都度表示される時刻表示やグロンギによる生々しい被害などリアルなサスペンスドラマの趣を持った作品だった。私にとっては初めての仮面ライダー作品であり、幼い私は「クウガ」が本当にいて、グロンギと戦っているんだと信じていた。

 あれから時が流れ、大人になった私は仮面ライダーが創作であると分かっているし、本当にクウガやグロンギがいるわけでもないとわかっている。だが、それでも感動は薄れなかった。寧ろ本当にバイクに乗り、激しく戦っているスーツアクターというものを知り、監督や脚本家の工夫や演出の苦労を知り、感動した。そしてこれも「本物」なのだと感じたのだった。

 フィギュアライズスタンダード、トライチェイサー2000はそんな仮面ライダークウガに出てくるバイクのプラモデル。少し落ち着いた金メッキがとても綺麗。


 ゴム製のタイヤパーツ、サスペンションのためのスプリング。リード線や細かなチェーンのパーツなどは以前作ったことのある他のメーカーのバイクプラモを思い起こさせる。

▲外装を取り付ける前の状態で一度写真を撮りたくなるのもバイクプラモの楽しさだと思う。

 フィギュアライズスタンダードのクウガを作った時、今作っているのはキャラクタープラモなのか、それともスーツアクターが着たスーツのプラモなのかと考えたことがある。だって、アニメのキャラクターと違って仮面ライダーのスーツは実際にあるものなのだ。

 そしてこのトライチェイサー2000のプラモにはより強くそうしたことを考えさせられる。それはプラモデルというのが「現実のモチーフをプラスチックに置き換えるというスケールモデルが原点にある」ということを知っているからだろう。実際バイクのプラモというのは、スケールモデルの中でも車や戦車と並ぶ一大ジャンルとして色々なメーカーから発売されている。


 このトライチェイサー2000のプラモデル、どこにもスケールは書いていない。しかし、この仮面ライダーとバイクという組み合わせが作り出す情景がキャラクタープラモでもありながら兵士と戦車の組み合わせのようなスケールモデル的な見方もさせてくれるのが面白い。

 仮面ライダーのバイクプラモがクウガを信じる子供の僕とスーツアクターに感動する今の私を繋いでくれる。虚構の世界を実写で作り出す特撮。現実の世界をプラスチックで表現するプラモデル。フィクションとリアルを行ったり来たりする魅力を特撮とプラモデルが教えてくれたのだ。

もとぴのプロフィール

もとぴ

東京在住。世界を理解するための糸口としてプラモデルを制作中。趣味の記録や思索のためにnoteも書いています。

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