2012年10月、『ガールズ&パンツァー』が放送開始になり、ついに10年が経ちました。それを記念してパンツァーサイドの主人公ともいうべきIV号D型の10周年キットが発売になりました!! おめでとうございます。
パッケージも10周年の箔押し仕様。金色の光がまぶしいです。そして説明書も10周年記念で、ガルパンコミカライズではおなじみの才谷屋氏が描き下ろした漫画になっています。ガールズ&パンツァーのプラモデルといえばこの漫画、という感じで……キットの数だけ漫画もあるはずです。スゴイ。そちらはぜひキットをゲットしてみてくださいね。
また10周年ということで、ロゴマークのプレートとあんこうチームのマーク、5人が集合したパネルのふたつのパーツが入ったエッチングパーツが付属しています。
そして中身のキットは2015年にリニューアルされたアイテムとなっています。ドラゴンがIV号戦車のプラモデルでこだわってきた精度はそのままに、パーツをシンプル化。接着する部分も工夫され、砲身も貼りやすくなりました。
そもそものガルパンプラモデルの歴史は同じ2012年に遡ります。放送に先駆けること5ヶ月、春の静岡ホビーショーのプラッツブースにそれまでの常識とはかけ離れた戦車模型の完成品が展示されたところから始まります。のちに私も4つとも作ることになるのですが、当時はまだピンと来ていませんでした。
10月に放送が開始されると第1話のインパクトはすさまじく、波のように広がり始めます。模型が界隈でモリモリ作られはじめ、まだ6話までしか放送されていないのに同年11月発売のモデルグラフィックスは巻頭特集を組み、番組タイトルを冠したプラモデルは12月に発売されたのでした。ああっ、10年経ったおじさんはすぐに長話をはじめてしまいます。
当時のIV号D型は、ドラゴンの製造したIV号戦車のパーツをかき集めたもので、とてつもなくゴージャスなのですが、パーツが多くて初めて戦車模型に触れる人たちをビビらせていました。それをとことん整理したのがこのキットで、かつて22パーツだった砲塔の部品数が、この1パーツにまとまったものです……と言えばその凄さがわかるでしょう。
前部牽引フック部は、ピントルも一体化して前後で組み立てる方式に。実車と異なる分割でも、組みやすさを優先したパーツ分けになっています。
それゆえに車体の完成は本当に早い。脚周りの接着剤を乾燥させる時間をとりましたが、1日でここまできます。あとは車載工具などをどんどん貼っていくだけですね。
短砲身で、砲塔も小さく、車体もまだまだシンプルです。このキットは濃いグレーの成型色で、履帯も黒。組むだけでいい感じにまとまるのも良いところです。
あれから10年、ガルパン仕様にかぎらずたくさんのIV号戦車を作ってきましたが、やはり10年経ってもやめられない魅力が詰まっています。このIV号戦車はひときわシンプルで、なおかつマーキングもたくさんありますから、かつてIV号D型を作った人にもまた手にとっても面白いですし、はじめてガルパンのプラモデルに挑戦する人にもオススメできるキットなのです!
各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。