『マシーネンクリーガー』。そこには、プラモデルの楽しさだけを摘まんでいけるという凄さがあります。今回ご紹介する本「Ma.K.in SF3D ARCHIVE Special 2013.7-2015.12 vol.4」にはその凄さがぎゅ~~~っと詰まっています。
本書は、日本を代表するモデラーMAX渡辺と、イラストレーターでありモデラーでもある『マシーネンクリーガー』の生みの親・横山宏が、毎月「月刊ホビージャパン誌上」で繰り広げる連載「Mak.in SF3D」2年半分を収録。今回でシリーズ第4弾で、今までのアーカイブよりもボリュームが激やば!!! 2年半分の連載をまとめているので、200ページ越えの特濃マシーネンを味わうことができます。
『マシーネン』は、イラストレーター・横山宏氏が描く魅力的なメカが多数登場する作品。第二次世界大戦でのドイツ軍の飛行機やイギリス軍の飛行機など、実際にある兵器のデザインラインやカラースキームをロボットに取り入れているのが特徴です。メカとしても楽しめるし、スケールモデルの入り口にもなってくれたりするプラモ界の優しいアニキ的存在です。
「ホビージャパン」の連載「Ma.K.in SF3D」は、本作品のプラモやレジンキットを、マックスファクトリーの代表取締役社長であり、日本を代表するモデラーのひとりであるMAX渡辺が毎月作りまくります。その作例を見ながら原作者の横山宏氏が解説したり、時には横山氏も模型を製作して参戦したりと、日本で模型をめちゃくちゃ楽しんでいるアニキたちの様子を毎月読むことができます。その様子の2年半分が詰まっているんですね。
本書の2人の対談の中でも、原作者の横山氏が「やらないでいいことを先に決めておくといいですよ」という言葉を残しています。この言葉に『マシーネン』の本質と凄さがあると本当に思っています。
自分の好きなようにパーツを組み合わせたり、筆やエアブラシで塗りたいように塗って良いという空気は『マシーネン』では当たり前であり、どのモケイより澄んだ純度でこの世界に存在していると思います。そしてその楽しさが思う存分まとめられた本書が本棚にあれば、あなたが模型製作に迷った時の助けになること間違いなしです。作り方よりも楽しみ方、模型生活が豊かになるヒントが満載ですよ。模型と共に、秋の読書タイムにぜひ楽しんでください!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)