
引越しの荷造りが大体終わったのだけど、それに時間を割いた影響でプラモデルを作る時間がほとんどなくなってしまった。まだ作るかも、まだ作れるかもと粘り腰のように出しっ放しの道具たちも確かに存在はしているものの、期日が近づくにつれてそれどころではなくなっていく心の動きとともに、いつでも作れるはずだが、どうにも作れないというジレンマのような状況を生み出していた。

「あるところにはありますよ」と言われ、果たしてそれはどこだろうか……と思っていた1/144の軽キャノンは、新居に配置する家具などをひと通り見た帰り道に地元のおもちゃ屋にあって、疲れを回復させるためだとか適当な理由をつけて購入した。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』で登場したモビルスーツの中ではフラットでいかにも大量生産品と言わんばかりの見た目が好み。

箱を開けてみると真っ赤なランナーが気になって、いきなりマホガニーのサーフェイサーを吹いた。完璧に色分けされたプラモデルに衝動的にスプレーを吹くと「やっちまった!」という後悔が一気に押し寄せるが、そのあとすぐに「ディテールが浮かび上がってきて面白いな」という発見が待っているのでかなり面白い。バンダイの最新のプラモデルをこんな風にしてしまうなんて……というゾワゾワした気持ちは、このあとどうなってしまうのかわからないという一種の怖さだったと思う。
スプレー塗装って、一見ムラなく均一に色が塗れるところが長所に感じられるけど、実際に吹いてみると一度でそうなるわけではなく、奥まった部分には色はつかないし、チリのような色の散らばりがあって意外と表情がある。それを生かすような形で別の色を吹き付けると、勝手に雰囲気が出るものだなぁとダルレッドを重ね掛けしたときに気づいた。赤いプラスチックに赤っぽい色をを塗る意味ってどれだけあるのだろうかと思うことはたびたびあるけども、こうやって違う色を挟みながら塗るのは重厚感も出て面白い。ニッパーで切断すると、元のプラスチックの色が出てくるのも無骨でかっこいい。

軽キャノンは久しぶりに作ったガンプラだけども、パーツの合わさり方がいかにも「最新のプラモ!」という感じ。単純な挟み込みではなく色々な方向にパーツがはまっていくのが色むらのあるパーツのおかげでよくわかる。
組み立て終わったあとに少しだけ赤い部分にドライブラシをして完成したのだけど、この辺で「時間も気持ちも余裕はないが、なんだかいい感じに色を塗ったりしたい」という気持ちが自分の中にあったことに気づきました。赤い部分だけざっと塗ってそれ以外はバンダイの色分けにお任せ。このあと汚していってもカッコこいい気がしている。