

ゼウスシルエットと言えばめっちゃ長いリニア砲。砲身は1発撃つごとに使い捨てというのがガノタ的にアツく、劇中では予備を含めて3本が確認できます。この砲身のパーツは劇中で見られる「鈍く光る浅い金色」ではなく、メンマみたいな黄色のプラスチックで成形されています。もちろんメタリックの粉末を混ぜたプラスチックもこの世にはあるのですが、表面にウェルドと呼ばれる模様が出たり、透け感が強くなったりとデメリットも多いのでこうした近似色のソリッドカラーに置き換えるのは色分け済みプラモデルにおけるひとつのセオリー。
で、説明書を見るとこのパーツは「ダークイエロー部」とされており、塗装指示での混色レシピも「サンディイエロー/ミドルストーン/ホワイト/グレー/ブラック」とメタリック成分はいっさいなし。おそらく開発タイミングの都合で劇中での描写よりも設定画か何かをベースに推定した色なんだろうなぁ……ということが窺えます。新しいガンダムのプラモデルを開発するのって大変だよね。

さて、そこにGSIクレオスが先日投入したのが「水性ガンダムカラー ゼウスシルエットゴールド」という塗料。ゼウスシルエットのリニア砲を塗るために作られた、完全なる専用塗料と言っていいでしょう。
水性のメタリック塗料、とくにゴールドってなかなかキレイに発色しないもので、さらに水性塗料そのものに「乾きづらい」「塗膜が弱い」みたいなネガティブイメージを持っている人もまだまだ多いはず。しかし、いまの水性塗料は違います。ちゃんと専用の溶剤を使えばバッチリ乾くし、隠蔽力も発色も光輝感もラッカー塗料とまったく変わらないレベルにチューンナップされています。

特筆すべきは「その名前に偽りなし!」と言える色味の追い込みかた。バンダイスピリッツ自ら「ダークイエロー」と表現したプラスチックの浅い黄土色と寸分たがわぬ色相、明度、彩度でありながらキラキラと輝くゴールドが眼の前に現れます。下の写真はランナータグにだけ「ゼウスシルエットゴールド」を塗装したものですが、ランナーやパーツ部分と同じ色なのに小さな粒子が照明を乱反射して明るく輝いています。当然光が反射しない方向に向けるとほぼ金属感がなくなり、プラスチックの色と完全に同化します。

よく「金属色は下地に黒を塗ると発色が良くなり云々……」という記述を目にしますが、あれは金属色が下地を完全に覆い隠していなくてもドシッと重い黒が透けて「金属らしさ」が出るからです。正直に言いましょう。塗料をガッツリ分厚く吹いて下地を完璧に覆い隠していれば、下地が白だろうが黒だろうがまったく同じ色になります。適正に薄めて完全に発色するまで吹き付けたゼウスシルエットゴールドは、プラスチックの上から直接塗っても黒下地の上に塗っても完全に同じ色になりました。これは私がテストしたのでマジです。

金属色を厚塗りするとキラキラ感が減るパターンもありますが、ビシーっと発色するまで塗料を重ねても光輝感はしっかり保たれています。水性ホビーカラーの薄め液を使えばひと晩で完全乾燥していますし、そのあとガチャガチャと組み立て工程を経ても塗装が剥がれることもありません。
なにより、この色味はこの塗料にしかない……となれば、使わない理由はないでしょう。ガンプラにあって、プラスチックと同じ色味を出しながらプラスチックと明らかに異なる質感を出すために開発されたドンピシャの塗料というのはスーパーレアな存在。もちろんほかのMSに使ったってだれも怒りません。その性能、ぜひみなさんも体感してください。そんじゃまた。