『トップガン マーヴェリック』を観た勢いで組み始めたF-14トムキャットが、ずっと首なし状態で放置されていた。理由は簡単。機首にオモリを入れないとケツが地面に付いてしまう(いわゆる「尻もち」が発生する)からだ。
そもそも飛行機模型は「機首にオモリを入れろ」と簡単に言ってくるが、適切な重さを入れないと尻もちは解消しないし、大量に入れすぎると着陸脚に過大な負荷がかかったり、そもそも機首のパーツを接着しても重みでボロっと取れる(機首の先端パーツが乾燥するまでどうやって重みがかからない姿勢で保持するのか?)という問題がある。適切なオモリとは何か。探検隊は釣具の上州屋へ向かった。
釣り用オモリにおける「1号」はだいたい1/8オンスだという。1オンスが28.3495gらしいのだが、とても暗算できないので私は表を用意し、この記事をブックマークすることで飛行機模型に必要なオモリを買うときに二度と悩まないようにした。みなさんもスクショを撮るなりブックマークするなりしましょう。
1号 | 3.75g |
1.5号 | 5.625g |
2号 | 7.50g |
3号 | 11.25g |
4号 | 15.00g |
5号 | 18.75g |
6号 | 22.50g |
1/72のトムキャットに必要なオモリは5gらしいので、1.5号のオモリをノーズコーンにぶち込んでおけば尻餅をつかないということがわかった。完成後に機首の中でオモリがカラカラ音をたてるのが嫌な人は瞬間接着剤でも流しておけばよろしい。
もういろいろとめんどくさいので本日は1.5号から6号までのオモリをずらっと買っておいた。当分飛行機模型を作るのには困らないだろう。さて、私の最愛の機体、バッカニアの1/48モデルはなんと「オモリを入れておくための棺のようなパーツ」がわざわざ用意されていた。ここに15gのオモリを入れろということなので、つまり4号を用意すれば良いということになる。
まあでもほら、ナスオモリってそもそもが涙滴型で空力的にも良いカタチ。ノーズコーンの中にこうしてシュッと収まるのがイイじゃないですか。さっき説明書で見た棺のパーツを使わんでも、カタチさえジャストフィットなら最前端にガコッと置いて、これまた瞬間接着剤でも流しておけばいい。
理科の時間にやったでしょ。モーメントは重さ×支点からの距離。つまり飛行機模型なら、主脚からいちばん離れたところにオモリを入れるのが効果的だというわけで、こんなふうにカツカツの先端部に入れてしまえば万一重さがビミョーに足りなくてもちょっと安心、というおまじないにもなりますね。そんじゃまた。
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。