週末が楽しくなるプラモを、フミテシの独断と偏見でオススメする「花金プラモ」。今週はおよそ50年前に発売されたプラモとは思えないかっこよさで、組み上げるとそこにドラマが爆誕する傑作「タミヤ 1/35スケール ミリタリーミニチュア ドイツ陸軍 ハノマーク兵員輸送車」をお届けします。
1973年に発売された本作。「古いからやばいんでしょ」とか言わずに、この超かっこいい箱をお家で開けて欲しいです。開けた瞬間にプラの色で「最高じゃんか……」ってなりますよ。
プラモとは今でもみんなの物。そしてそれが今までより色濃かった50年前。組むだけでも思いっきり楽しめるようにと、このように車両と兵隊さんたちは役割を持った色をしていました。そんなこともこのプラモが教えてくれます。ドイツ軍の2大グレーである「ジャーマングレー」と「フィールドグレー」で成型されたランナーが箱を開けると飛び込んでくるだけで、今夜は楽しいプラモが作れそうだぞと言う気持ちになれます。
今の目で見てもめちゃくちゃかっこいいプラモが完成します……。そしてこのジャーマングレーのかっこよさ。塗らなくてもドイツ軍車両の勇ましさを体感できます。これが約50年前に発売されていたとかやばいでしょ! 今の工具やマテリアルがあればさらにシャープにできますね。
そしてこのプラモには最高のアニキ5人がセットされます。全員が凄く生き生きしているのですが、このポーズを決めるにあたっては、アニメーターとして多くの人の心に幸せな記憶を植え付けてくれた大塚康生氏のアドバイスがあったと言われています。突撃するアニキたちのすさまじい迫力を味わえます。
ハノマークのデザインも最高にかっこいいですし、魅力的なアニキたちも楽しめる……。そして車両とフィギュアが織りなす風景を、ひとつの箱で完結して楽しめるという「タミヤMMの普通であって普通じゃない凄さ」を味わえます。久しぶりに組みましたが、何度組んでも僕に「戦車模型って本当に面白いなぁ」と思わせてくれる最高のプラモでした。「タミヤ 1/35スケール ミリタリーミニチュア ドイツ陸軍 ハノマーク兵員輸送車」で最高の週末をお過ごしください!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)