クロムウェル巡航戦車というと、第二次大戦中のイギリス軍の戦車の中でもわりと地味なんですよね。チャーチル歩兵戦車や、マチルダ歩兵戦車のような重厚感は無し! むしろ巡航戦車というカテゴリーからしたら大戦前半で活躍したクルセイダー巡航戦車の直系。実戦配備されたのが大戦後半で、さらにアメリカからシャーマンがゴロゴロと届けられてたから「お手頃な中戦車」としての立場がボンヤリしちゃったんすよね……惜しい!!!
ただ、プラバンを貼り合わせたような車体や砲塔、露骨なボルトなんかはクロムウェルならではの見どころです!(褒めてるんだろうか……)。今回紹介するIBGモデルの1/72 クロムウェルMk.IV(Hull Type C)は、小っちゃいのにクロムウェルらしさバリバリの傑作キットですよ。
IBGモデルは以前もスキャンメルパイオニアなども紹介してますが、本当に英軍車輛を色々ミニスケ展開してる楽しいメーカー。戦車もそうだけど、トラックとか装甲車なんかもラインナップされてるので見てるだけで楽しいぞ!
砲塔なんかは、ありがちな貼り合わせで箱組するのではなく、すでに4面が一体成型されている……!! 正面パーツ(砲身が出るところ)と底面をつけたら、砲塔のアウトラインが完成するというラクチンパーツ構成なのです。
戦車モデラーがいうところのロコ組というやつです。履帯と転輪が一体化されて、お手軽かつ強度もあるパーツ。さらに転輪類はオモテ面のみ別になってるので、立体感抜群でございますよ!(写真は裏面ッス)
説明書とは順番が違いますが、とりあえず車体と砲塔をバババって組んでみたぞ。この箱組み感がすごい……。砲塔とか垂直なんですよもう。斜めの方が砲弾を弾くって知ってるでしょ! なんで?? って思っちゃう無骨さが最高にクールですクロムウェル。
まあ、前述の箱組に履帯と砲身つけたら大体完成なんです(乱暴)。実はちょいちょいとエッチングパーツも付いていて、それなりに満足度が高めの構成なのですよね! エンジングリルのメッシュなんかは、奥行はほぼ見えないし、プラで成型してもいいところだとは思うんです。でもね……「メッシュはやっぱりエッチングパーツじゃなきゃね!」という空気感が感じられます。ハイ。
IBGはパーツもシャープ! スライド金型も使って組みやすさを配慮してくれてます。まあ、ちょっとゲートが大きいので、パーツの切り出しに気を遣う時もありますが、逆に言えばそれくらいだったり。特に履帯がまるっと一体成型にしつつ、転輪を別パーツにして立体的にしているところなんかは、ほんま嬉しい。このスケールなら、数を並べてジオラマを作る楽しみもあるので、ノルマンディ上陸作戦後のグイグイと進軍していく連合軍を再現してみても面白そうですなあ……。細かなバリエーション展開もしてくれてるのでまた作ってみたいですね! ぜひ手のひらサイズのナイスな戦車模型を楽しんでください!!
1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。