ヒーローの愛馬は黒く美しき秘密兵器/ポーラライツ ブラックビューティー

 ブラック・ビューティーは馬の名前だよ。俺はそう信じてる。

 『グリーン・ホーネット』の細かい話はしないよ。悪いが必要ならネットで調べてくれ。紳士はきちんとした仕立ての服を着ているべきで、けばけばしい全身タイツなんかで人前に躍り出るべきではない。そんな時代のヒーローだってことだけ知ってれば充分さ。興味があれば観るといい。面白いよ。

>ホビコレ ポーラライツ 1/32 グリーン・ホーネット ブラックビューティー (未使用開封済み)

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 『ローン・レンジャー』ってグリーン・ホーネットに先立つ物語があったのさ。悪党に全滅させられたテキサス・レンジャー隊のひとりがネイティブ・アメリカンの男に助けられて甦り、再び悪をこらしめる。俺の親父が好きだったラジオ・ドラマだ。グリーン・ホーネットと原作者が同じで、筋も道具立ても似てる。「ハイヨー!シルバー!」って、知ってるだろ? ローン・レンジャーが愛馬を駆るときのお決まりのフレーズだよ。

 原作者はアメリカ人にとって大切な相棒である馬に、色の名前をつけるこだわりがあったんだ。ローン・レンジャーには白馬シルバー・バレット、グリーン・ホーネットには黒馬ブラック・ビューティー。こいつの本当のライバルは、バットマンのバット・モービルじゃないんだよ。

 原作者はおそらく『黒馬物語』に感銘を受けたファンだったんだろう。19世紀に出版された、ブラック・ビューティーという歳老いた馬のモノローグ小説さ。親父に読まされたんだ。けっこう感動したよ。ブラック・ビューティーは人語を話すことはできないが、馬を手ひどくこき使いも温かく慈しみもする人間を深く理解していて、とても賢い。主人公のもうひとりの相棒を馬ではなく車に設定するときに、あの馬のように賢くあれと思いを込めたんだろう。

 実際、グリーン・ホーネットのブラック・ビューティーは賢い。警戒する悪漢にしのび寄るとき、主人が「静かに」と言えば、自ら本当にエンジン音をミュートして、まぶしいヘッドライトを敵からは見えないインフラ・グリーンに変えるんだ。インテリジェント・カーのはしりだよ。これにいちいち口ごたえするのがナイト2000。まあいいや。

 このモデル・キットはとてもよくできているよ。1/25だったらちょっとでかいけど、1/32だからたったの7インチ。馬のプラモデルとしちゃ世界一のパーツ数、37ピース。ボディーだけ共通のスロットカーもポーラーライツから出てたんだ。走らせてみてもスズメバチの羽音どころかネコの威嚇みたいな音を出すもんだから、俺はずっとモデル・キット派だよ。インテリアもちゃんとあるし、武装もばっちりだしな。

 ポイントは真っ黒に塗らないことかな。撮影用のカスタム・カーを作り上げたのはディーン・ジェフリーズって男なんだけど、グリーンの特製フレークをたっぷり混ぜ込んだブラック・ラッカーでおよそ30コート。本当のサラブレッドの毛艶みたいに光るんだ。俺はディーン・ジェフリーズじゃないしタミヤ・レッドで塗りたいな。きっとかっこいいよ。

 カーモデル・キットは君たち自身が育てる馬だ。素質も個性もあって当然だ。だが良し悪しはない。
 とんでもないじゃじゃ馬になっても君の馬だ。堂々と自慢してくれ。

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1972年生まれ。元トライスタージャパン/オリオンモデルズ、旧ビーバーコーポレーション勤務を経て、今はアメリカンカープラモの深淵にどっぷり。毎週土曜22時から「バントウスペース」をホスト中。