頭のいい人が考えてくれた「明るい色」で戦車のプラモに遠近感を与える話。

 ウォルターソンジャパンの小さいシャーマン戦車、せっかく組んだので塗るのもいいっすね〜と思ったんです。で、小さいスケールに濃い色を塗るとどうしてもオモチャっぽくなるんスよね。それがいいっちゅう場合もあるんですが、よくある例え話として1/72の戦車を50cmの距離で眺めるのは36m離れて見るのと同じ云々…….。確かにそうなんだけど、どれくらい明るい色を塗るとそれらしくなるのかよくわからん。よくわからんときは売られている塗料に頼りましょう。最近のプラモ用塗料はホントにたくさんの知見に基づいて作られた「頭のいいヤツ」がいっぱいあります。

 戦車プラモの世界ではカラーモジュレーションっていう技法がひとつのトレンドです。3DCGに極端な立体感を与えるためによく施される「極端な明暗」を面ごとに付けていくという概念で、のっぺりとした面に明るさのグラデーションができて情報量が増えるから模型の見た目として嬉しくなりますよ、というやつです。

 GSIクレオスのカラーモジュレーションセットというのは明るさの違うオリーブドラブが4本入っています。基本の色、明るいのが2段階、暗いのがひとつ。これをうまいこと塗ると単なるオリーブドラブも明るさの差が強調されることになります。今回は相手が小さい(=白っぽいほうがそれらしい)ので、まず「ハイライト1」を塗ります。塗ってみると、これが確かにオリーブドラブでありながらちょっと頭のいい明るさになってくれます。いいなこれ……。

 写真だと伝わりにくいのですが、調子に乗って出っ張ったところに「ハイライト2」も塗ってみました。これは「ハイライト1」よりも明るく調色してあります。大きい模型だとその差もわかりやすいと思いますが、小さいと環境光が影の部分まで回り込みやすい。もっと強調したほうがいいかもな……ということで更に白を混ぜて明るい色を乗せていきます。

 お、暗いところと明るいところがめちゃめちゃ強調されましたね。なるほど、たしかにこれは塩梅を見ながら段階的に明るい色を付けていったほうが良さそうです。「どれくらい明るくすれば模型に塗った色がそれらしくなるか」って結構難しいもんですが、こうやって最初からガイドラインが引いてあるとそれに乗っかってひとまず旅に出ることができます。
 明るさをもうちょっと強調したいな……というときはさらに味付けをすればいいし、塗料に導かれるまま「こんなもんでオッケーだな!」というのもアリ。「カラーモジュレーションセット」はいわゆるカラーモジュレーション塗装をしない人にとっても「頭のいい人が考えてくれた明るい色」という感じで、とても親しみやすいと感じました。みなさんも小さな模型にはパッと明るい色を塗って爽やかな完成品を作ってください。そんじゃまた。

<a href="/author/kalapattar/">からぱた</a>/nippper.com 編集長
からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。