プラモで残るファッション、プラモで蘇るファッション/タミヤ CFS2

 上野にはバイク街と呼ばれる場所があったのだけど、久しぶりのその辺を通ったらまるっきりなくなっていた。全盛期の頃は確かに昭和通りの3車線のうち1車線をバイクが占拠していたし、そこから一本入った私立岩倉高校周辺も同様に賑わっていた。そして、私は高校生の頃に、そこでホンダのスーパーカブ50の中古品を買ったのだ。
 購入したお店には、中古の原付がたくさん並んでいて「どれを買おうかな」と何度か通った。印象的だったのは二人組の音楽ユニットPUFFYの日に焼けた等身大パネル。ヤマハのビーノの販促品だった。

 PUFFYといえば、古着っぽいジーンズにTシャツをさらっと着こなすかっこよさがあって、シンプルだけど説得力のあるオシャレをする人たちであった。
 今はわからないけど、代々木公園では割と大きなフリーマーケットが土日に定期的に開催されていた。そこには個人出店の人も多くいたけど、同じくらい業者も出店していた。当時は、バブアーのワックスドコットンのジャケットをハイエースだか何だかのワンボックスカーからごそっと搬出していたのだ。慣れた手つきで、くたびれたハンガーラックにかけられたジャケットは5000円くらいで売られていた。

 タミヤの1/24 キャンパスフレンズセットIIは「2020年の今」を切り取ったようなプラモデルだと思っている。
 それなのに、私が高校生だった2000年代を急に思い出させる。それは、ビーノやワックスドコットンのジャケットの昔から今までの変遷を日々の暮らしの中でなんとなく感じているからだと思う。
 それに、ファッションのトレンドは20年前後で一周するという。つまり、2020年代に「キャンパスフレンズ」を名乗る彼女は実のところ、そのトレンドの一周前の2000年代を感じさせる雰囲気も持ち合わせているとも言える。
 彼女を組み立て、塗装をした後に向かった上野のバイク街は本当に静かだった。もし、当時の私が原付だけじゃなくて、周りの人も眺めていたら、バブアーを着てスキニーパンツを穿いた女性を見かけたかもしれない。

<a href="/author/crisci4mens/">クリスチ</a>
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。