大きな飛行機を色も塗らずに組み立てるのが大好きだ。部屋に無責任に巨大なオブジェを生み出すのが楽しいからだ。
この日は1/32のFw190D-9を買ってきた。機種はともかく、完成サイズが30cmを超えてくると「デカいな」という印象なので、それに見合うプラモデルを探した。ハセガワの飛行機は、箱の側面に英語で完成サイズとパーツ点数が書いてあるので嬉しい。
箱を開けると、大きなボディパーツと、それだけでは収まりきらない海老の尻尾みたいに分けられた尾翼部分のパーツが特徴的。Fw190D-9は細長く、スラリとした見た目が好きなんだけど、その細長さをパーツの分割を通じて直観的に感じられた。
飛行機のプラモデルを作っていて一番テンションが上がるのはボディと主翼が組み合わさったとき。ビシーッとキマると、急に飛行機が目の前に現れる。
この感動は、1/72だとか1/48などのどのスケールにも等しく訪れるのだけど、大きいと感動度合いも自ずと上がる。感動のまま、考える間も無く飛行機を手で掴んで飛んでいる様子を再現したりしている時間は一人遊びの真骨頂だと思う。
そして、これくらい大きいと主脚などの脚周りの作成が全く苦労せずに楽しく作ることができた。また、機銃が内部にどう接続するのかというのもしっかり味わえたりして「そのパーツはここにつながるのか」という驚きもついてきた。
完成後は、同じスケールのフィギュアと合わせて記念撮影した後、これくらいの大きさになると、飾るスペースを作るのも大変なので、天井から吊るすことにした。
1/32のFw190D-9は偶然にも主翼に穴が空いていて、尾翼も、水平尾翼の付け根に紐が通せる隙間があったので特に穴を開けずに吊るすことができた。釣り糸を通して結ぶ。結び目は念の為、瞬間接着剤をつけて補強した。
大きな飛行機を天井に吊るすことを、私は「視界の外に逃がす」と呼んでいる。視界の外に逃がすと、わざわざ見ないと見ることができない。だからこそ、ちらっと天井を見たときに無事に飛んでいる姿に愛着を覚えることができて、楽しい。
飛行機作りを「完成品を吊るす」というところまで考えると、プラモデルを作った後の楽しみ方にまで触れることができる。それに「飾るところがない。どうしよう」なんてこともなくなるはずだ。
1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。