ゴールデンウィーク中に、上野公園で読書をした。大きな噴水の周りにはたくさんの人がいて、ベンチに座ったり、それぞれの行き先へ向かって歩いたりしていた。
読書をしながら時折そういった人々を眺めていると、座り方や歩き方がそれぞれ違っていることに気づく。ちょうどゴールデンウィーク前にフィギュアのプラモデルをいくつか買っていたので、彼らがプラモデルに見えてきた。そして、同時に「プラモデルにはたくさんのポーズがあるように思えたけど、現実にはそれ以上の姿形が溢れているな」と気づいて思わず周囲を見渡してしまった。
そういった意味ではタミヤの1/48 WWII ドイツ歩兵セットは10人の男たちがさまざまなポーズをとっているのでとても興味深い。特に座っている3人は注目の的だろう。
その中でも、銃を抱えながら地べたに座り込んでいる男は交差する足のパーツがどうなってるのか全く分からなかったので1番最初に組み立てることにした。腰の左右の合わせのカチッとハマる気持ちよさは「さすがタミヤ」という感じ。そこからさらにふくらはぎ部分にも凹凸が設けられているので、ロックされるような感じが新感覚でとてもよかった。もちろん、それ以外のパーツもスムーズに組み上がる。
出来上がった姿は、昨今のタミヤのフィギュアの説得力のある造形や雰囲気の良さはそのままに「ぐったりと座っている」という具合で非常に面白いものになっている。
ミリタリー系のフィギュアの大抵は戦闘中で、しかも立っていることがほとんどの中、こんな風に座っているフィギュアは珍しい。そんな男を見ていると、たとえ屈強で規律厳しい軍隊に所属していようと、それ以前に人間であるということがわかる。それに、キットを見たときに「へー!こんな姿のプラモを出すんだ!」と驚いたように、まだまだプラモデルになっていないポーズをした兵士がたくさんあることにも気付かされる。
上野公園で見た、さまざまな座り方をした人たちのように、これからもいろんなポーズのプラモデルが発売されれば、私たちの作り出す情景はいろんな表情を見せてくれるだろう。
1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。