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大事なのはバラバラにするタイミング/引っ越し上手になりたくて、タミヤの1/35ドイツ歩兵セット 大戦後期をつくる

 オフィス移転があったのだけども、移転先で段ボールを開けて引っ越し作業をすることになった。
 がらんとした環境で部署ごとに分けられて積まれた大量の段ボール。私のグループは荷物が多いので、遠くからでもすぐに分かった。その山に向かって歩いていたら、張り切る上司が積まれた段ボールを見ながら「よし、全部開けるか!」と声を上げた。イヤな予感がしたので「私が関わっている仕事の荷物があるので」と事情を説明して、別のフロアへ逃げた。
 イヤな予感の原因は、プラモデルだ。簡単なものはさておき、パーツ数が多かったり、似たような形のパーツばかりだったりすると、すべてのパーツをニッパーで切り離してしまうのは怖い。途端にどれがどのパーツだかわからなくなるからだ。

 オフィス移転の段ボールを、いきなりすべて開けようという判断は、大作のプラモデルのパーツを最初にすべて切り取ってしまおうというような感じだ。そう思うと、そもそもプラモデルってどのタイミングでどれだけのパーツを切っていいのかがわからない。なんとなく説明書のステップごとに使うパーツを切っているような気がする。何百個も作っているわりには、言われるがまま、とくに気にせず切っていた。
 タミヤの1/35ドイツ歩兵セット 大戦後期で作ることのできる5人のうちの1人を作り終わったのちに、「全部開けるか」という声を思い出し、残りの4人分をすべて切り離してみた。

 このドイツ兵たちに限って言えば、それぞれのポーズや服装がユニークだし、大きな布をかぶった兵士とそうでない兵士はパーツの段階でも判別しやすかった。それぞれのパーツ同士がバチっとハマるかどうかで判断がつくほどの精度の良さもあるので、切り離したパーツがごちゃごちゃになることはなかった。
 また、今まで無意識で行っていたパーツを切り離す行為を自分でコントロールすることは新鮮な体験だったし、組み立てるスピードもアップしたので、良いことの方が多かった。私の嫌な予感に反して、引っ越し先で段ボールを全部開ける方が早い方ケースもあるようだ。

 私が自分の作業を終えて、別のフロアから戻ってくると「何がどこにあるかわからないな…」と疲労困憊の上司がいた。逃げてごめんな、と思いながらある程度の荷物を集め直して、分類しながら片付けた。私のグループの荷物はやっぱり大作のプラモデルだったのだ。
 プラモデルを切って貼る。それだけでも引っ越し上手になれる日が来るかもしれない。引っ越しの際はタミヤの設計のような梱包をし、組み立てるように開梱していこうと思いを新たにした。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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