IV号戦車はタミヤを例にとっても、はるかモータライズ時代からの古豪IV号D型、MMシリーズ中興のH、J型、さらに近年の行き届いたおもてなしのF、G型と、3代にわたりテイストが異なるものが発売されています。さらに海外に目を向けると昨今は中国や東欧、ロシア、ウクライナのメーカーによる百花繚乱ぶり。そんな中でも、今回ご紹介するウクライナのメーカー、ミニアートのセットはやりすぎなくらい凄いです!! マジでびっくりしますよ。まさに夢を買えるプラモデルです。
ミニアートの1/35AFVキットはだいたい中身までついてきちゃいます。戦車のエンジンとか砲塔の内部とかそりゃぁすんごいもんですよ。Tこの段階で豪華版と言ってもいいような内容でした。
ところがどっこい、さらにミニアートは追加でドン、地面とクレーンまでつけて、整備や修理をしているシーンを立体化したのです。その名もBIGSET。最高に分かりやすいネーミングはぶれない証。箱の完成版を見ると迫力満点のジオラマになっています。
実際に中身入りのキットを、中身が映えるように作らせようと思うと、このクレーン整備スタイルはじつにお似合いのスタイルです。ミニアートはフルキットを作る前には地面やストラクチャーなどを手掛けていたので、こういったセットはまさにメーカーの強みが表れています。説明書の最後のページには「お前もじっくりやればここまで来れるから来いよ!」と呼びかけられているような気すらします。草以外は箱のなかに全部入っていますからね。
ニッパーを入れた瞬間、これはすごい時間がかかるキットだ……という予感と、この先の時間が溶ける音が聞こえました。難しいゲームをはじめて、最初のボスに出会った時のような感覚です。だけど私は説明書最後のページをこの目で見るまでは、あきらめるつもりはありません……! 全部盛りの夢を買ったのですから!!! あなたも一緒に夢が見れそうなプラモを見つけてきて作りましょう!!
各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。