変わった手順に意味がある/ハセガワ ニッサン サニートラック GB121 ロングボデー

 JR尾久駅の改札を出てすぐ左に曲がって線路沿いを歩いていると、どういうわけか結構良い車が止まっている。良い車というのは高級車というわけではなく、往年の名車といった感じのもので、たまに尾久駅の方へ行くとわけもなくうろついてしまう。
 この日は病院帰りであったが、白い日産のサニートラックが停まっていて、いかにも使い込まれた見た目。そのような古びた風貌はRat lookスタイルというほどの見た目ではない。しかし遠くから見ても、削れていたり、錆びている部分がわかるほどだ。
 近寄ってみると、私が思っていたよりもずっとかっこいい姿に驚いた。プラモデルでもミニカーでも、今まで私はサニートラックにピンときていなかった。模型ではイケイケにアレンジされているのかと思っていた車高の低さは実物もそうであり、「荷物の上げ下ろしを容易にする」という機能であることがひと目でわかった。

 そのあとすぐに、ハセガワの1/24 日産サニートラック”ロングボディ”を手に入れた。箱を開けてボディパーツを一気に形にして、次の工程に入ろうとしたときにこのプラモデルの不思議さに気づく。「あれ、今、説明書の順番通りにボディパーツを作ったっけ……?」
 今まで作ったカーモデルはどれも、最初にシャーシを作ったりエンジンを作ったりすることがほとんどで、いきなりボディを作るという手順を味わうことはほとんどなかった。とはいっても、慣れてくると手順なんて無視してボディにスプレーを吹いたりする作業が先になる、なんてこともあるけど。
 ピックアップトラックらしさ溢れるボディ最初に作らせたのは理由があった。というのも、次に作る「内装とシャーシを兼ねたパーツ」をボディとハメ合わせてしまうのだ。そのあとに、裏返したまま、マフラーやサスペンション、スペアタイヤなどを取り付けていくという手順。

 この手順、オーソドックスな「車体を組み立てて、タイヤをつけてからボディパーツを撓ませながらシャーシにハメ込む」順番よりも作業がしやすかった。変な力の入れ方をして細かなパーツを折ってしまったらどうしようとか、そういうことを考える必要がないのがとてもよかった。
 サニートラックの車高の低さに「荷物の上げ下ろしのしやすさ」という意味があったように、一見変則的な組み立て工程にも「組みやすさ」という意味があった。しかも、今まで作ったどのカーモデルよりも車体とボディのハメ合わせが楽だったというのだから頭が下がる。
 完成した姿は、あの日停まっていたサニートラックそのもの。車体下部に影が青く差していたので、真似をしてほんのり青くしてみたが、これが地味に効いている。遠目に見ていても、重心が下にある感じがしてかっこいいのだ。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。