プラモになった職人が教えてくれた、働く姿のかっこよさ。「ミニアート 1/35 ツールメーカーズ」

▲イタリア軍のワークジャケット。安価で入手しやすく、デザインもシンプルなので、好き。こういうのを着ているアニキのフィギュアが欲しいなと調べていたら……
▲まるで僕らの分身のようなアニキたちと出会うことができた

 2001年にウクライナにて誕生したプラモメーカー、ミニアート。ここのお家芸ともいえるのがフィギュアと細かなアクセサリーキットだ。戦闘真っ最中の物から、一般市民の生活の様子、街の情景を作れるプラモなど、立体化するモチーフのセンスの良さもピカイチ。いつもの模型に添えるだけで、ちょっと違った雰囲気を演出できる。僕がもっと欲しいな~と思っている「普通の人」も、このメーカーを探すとかなり現れる。
 ただ惜しいのは、戦争の時代の香りがする服装や物を持っている人が多いというところ。しかし! 今回出会うことができたアニキ2人は、時代を超越できる服「ワークスタイル」に身を包んでいた。箱を手にした瞬間、ひとめぼれだった……

▲左のアニキはフレンチチャイナ(フランス在中の中国系移民のために作られたもの。フランスのワークジャケットとチャイナジャケットの特徴が融合している)のような雰囲気。ユーロのワークジャケットのネイビーは本当に美しい。右のアニキはブラックモールスキンかな? いかにも丈夫そうだ

 働く服は時代を超えて、ファッションだけでなく普段の仕事着として、今でも形を変えることなく存在している物が多い。冒頭のイタリア軍のワークジャケットだって、そんなことを言わなければ普段のジャケットにしか見えない。働く服こそ、もっとも普通になれるキーアイテムなんだ。

▲このキット、過去に内藤あんもさんがレビューしてくれています。本キットのツール系パーツのすごさはこちらの記事を読んでね
▲ちょっとイラストのアニキの服と比べると、プラモはディテールがおざなりになっているが、雰囲気は抜群。現代の普段着に近いワークのセットアップアニキがランナーに収まっている物は、なかなかない
▲服のシワなど、手原型の生感を感じる

 働く人の動きを刻む、服のシワ。キレイに整えられた頭髪。すべてがスマートだ。職人のアニキなんてどう使うんだ? なんて考えてしまうと、途端にプラモの世界は狭くなってしまうと思う。なんだかもったいないよね。
 ミニアートがこうやって職人と工具、机などをセットにしたプラモを出してくれたからこそ、僕はワークスタイルが立体化された時のかっこよさを改めて認識できた。日常はプラモになっても輝く。そして働く姿は、戦う姿よりも美しいのだ。

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フミテシ

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。