「お父さん、この赤い飛行機なになに??? かっこいい!!」
「「紅の豚」っていうアニメに出てくる飛行艇なんだよ。今日そのアニメがやるから幼稚園から帰ってきたら一緒に観ようね」
「「くれないのぶた〜〜?」。うん、いいよ! きのこの図鑑も一緒に読んでね」
今日の夜、僕は4歳の息子と一緒に「紅の豚」を観る約束をした。息子にとっては初めての豚さんとのフライトだ。この「ファインモールド 1/48 サボイア S.21F“後期型”」のプラモをぶんぶん振り回しながら見てくれたら嬉しいな。早く今日の仕事を終えて息子とテレビの前に座りたい。そんな金曜日。僕と息子を繋ぐ「花金プラモ」。
▲1/72スケールのコンパクトなサボイアのプラモも素敵。こちらのリンクからどうぞ
僕が父に初めて連れて行ってもらった映画。それが「紅の豚」。田舎には映画館が2か所しかなく、車で片道30分……映画はちょっとした観光のようだった。初めてのスクリーン体験で、僕は豚さんと赤いサボイアのかっこよさに痺れ、その日わがままを言ってもう1回見せてと父にお願いした。嫌な顔しながらもいいよと親父は言ってくれたけど、親父は2回目は一緒に見ないで喫茶店にコーヒーとタバコを楽しみに行っちゃった。そんな背中がちょっぴり豚さんみたいだった。
今日僕は4歳の息子と金曜ロードショーで「紅の豚」を観るのだ。このファインモールドのサボイアと一緒に。朝、キラキラした瞳でサボイアを観ていた息子の顔が忘れられない。なんだかドキドキワクワクしてきた。このプラモデルがあったからこそ、このドキドキが体感できる。今日は息子もちょっと夜更かしになるのかな? そして今夜、君の夢の中でサボイアが美しく飛んでいてくれたら嬉しいなと、親父みたいな感情を盛り上げさせてくれたこの素敵なプラモに、感謝。
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)