旧キットはオールドスクールな接着剤で組め!「プラモデル用セメダイン」20mlチューブ入りの魅力

▲ヨシおじさんの首・肩・腰にプラモデル用セメダイン!

 年々進化する模型用のツールや素材とは反対に、昔ながらの工具や塗料もそれほど大きな変化なく作られている。手に馴染んだツールや素材って、新しい道具を手に入れて出番が減ったとしても「ここ一番」の時に頼りなるモノです。
 さて、セメダインといえば昭和のプラモデルに同梱されていた接着剤の苦い思い出が蘇るベテランも多いはず。しかし、目的に合わせて使い分けると今でも第一線級の使い勝手です。最大の魅力は「隙間を充填しながら接着できる」「ヤスリが掛かり塗料も乗る」ということ。現代人が古いキットを作り始めると、とかく「合いが悪くて組みにくい」なんてことを口にしがちですが、手軽に充填と接着を同時にできるセメダインで組むと快適さに驚くはずです。バチピタじゃないプラモにはオールドスクールなセメダインが最適です。

▲プラモデル用セメダインにはビン入りとチューブ入りがあり、溶剤の比率と使い勝手が違います。今回お薦めするチューブ入りは硬練りで少しパテに近い性質。

 プラモデル用セメダイン20ml入りはプラモデルと同じ樹脂を有機溶剤で溶かしたポリスチレン樹脂溶剤系接着剤。キモは溶剤分の少なさで、角びんのタミヤセメント(11%)やビン入りセメダイン(14%)のおよそ倍、27%が樹脂成分。接着力の立ち上がりで無二の威力を誇ります。粘り気でパーツを保持しながら位置決めできるため、メッキや塗装が多少残っていても接着できてしまう図太さがあります。ゴム系接着剤と違いカッチリと固まり、削った時の質感はプラモデルのクリアパーツと似たサクさ。パテや瞬間接着剤と違い、充填した部分をセメントで再接着できるメリットもあります。ただ、モナカ割りのパーツを貼るには向きません。

▲古いバイクプラモにありがちな、接着面積が少なくハメ合いの曖昧なメッキの荷台はチューブ入りセメダインで組むと楽。

 溶剤分が少ないためパーツを溶かす力は弱め。逆に言うと一度組み立てた模型を分解してもダメージが少ない。強めに引っ張るとメリッっとむしれるように剥がれるから、セメダインで仮組みして、入り組んだ部分は後から塗装のためにパーツを取り外す、なんて芸当も可能です。nipperが提唱する無塗装の素組みにも向いています。

▲ゆるいダボで点付けするマツダK360(アリイ1/32)のリヤアクスルもセメダイン向き。可逆性のあるプラモ製作。

 さて、そんなチューブタイプのプラモデル用セメダイン20ml(品番CA-215紙箱)(品番CA-217ブリスター)ですが、入手性はあまり良くありません。取扱店でもビン入りの30ml(品番CA-216)だけの店が多く、そうこうしているうちに公式サイトから姿が消えてしまいました。カスタマーサポートに問い合わせたところ、12月下旬に最後のメーカー在庫の出荷が終わり、あとは流通在庫のみだそうです。もし運良く入手できたなら、ぜひ古いキットとセメダインの相性の良さを再確認してみてください。

chill reactor
chill reactor

旧車雑誌『高速有鉛デラックス』でライターとして活躍中。最近はアメリカンカープラモを楽しんでいます。