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大好きな靴と真っ赤な飛行艇をつないだのは、家族経営の工房だった/サボイアS.21F フォルゴーレ号

 2020年代の革靴勢力図を国別に考えてみると、本格革靴のど真ん中でブランド名を上げだしたらキリがないイギリス、Aldenが綺羅星のように輝くアメリカ、素朴さとエレガントさが交差するJ.M.WESTONを抱えるフランスが主要なところだろうか。そこに小回りの利く日本のメーカーがいくつか。RENDO、Arch Kerryなんかは特に良い靴。ほかにもコストパフォーマンスで勝るスペインも見逃せない。

 

 そこですっかり隠れてしまった感もあるのがイタリア。といっても有力ブランドはまだまだ力は健在だ。ただ、昔ほど目立たなくなっているのは事実。それでも私はイタリアの靴が好き。イタリア靴は抑え目な価格ながらも華美になり過ぎないデザインのものが多く、それを形にする丁寧な仕事が素晴らしい。ほどほどの価格のイタリア靴は、あまり重厚なブランドストーリーが語られることはなく、ブランドというよりは工房といった趣で語られ、家族経営のものもいくつかある。

 Bolliniは家族経営の工房で作られる革靴で、私が好きなメーカーの一つだ。技術の引き出しの多さを見せつけるような変形のUチップは、なかでも1番のお気に入り。つま先のUの字のステッチが甲に達する前に途切れるが、呼応するように途切れた部分にだけソールにはギザギザの細工が入れられてる。いやー、細かい。革もイルチアというキラキラした輝きが特長の良いものを使っている。この靴は2010年ころのものなので、一度倒産する前のイルチアの革なので、今となっては貴重なもの。

 「イタリア人が怠け者だというのはとんでもないデマだ。一族だけの家内工業だと猛烈に働くのだ」と、知り合いが貸してくれた宮﨑駿の『飛行艇時代』に書いてあったので、俺の持ってるイタリアの革靴達もまさにそうじゃないか! ととても驚いた。というか俺、今まで『紅の豚』ってちゃんと見たことなくて、それを告白すると「見たことないの!?」と驚かれるから余計に距離を置いていた。だから、譲ってもらったサボイアのプラモデルもピンと来なった。

 ただ、一族だけの家内工業が生み出す逸品が美しく素晴らしいものだと宮﨑駿が知っているんだったら、俺がイタリアの靴を愛するように彼もも飛行機を愛したんじゃないかと思えてきた。だったら、靴をきれいに磨き上げるように、プラモの箱を開けてピカピカのサボイアをを作ろうじゃないか。 

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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