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意地のアオシマ!新しい2000GTのプラモがキミをジェームス・ボンドに近づける。

 ダニエル・クレイグ版『007』シリーズを一気観したため(『ノータイム・トゥ・ダイ』を来週見に行こうと思っています)、気分はジェームス・ボンドである。当初の世論同様に「ダニエル・クレイグにジェームス・ボンドが務まるかい!」と思っていたオレだが、『カジノ・ロワイヤル』の初手からメロメロ。オメガのシーマスター欲しさに銀座に繰り出したり、バーに行けばウォッカ・マティーニ(ステアせず、シェイクして)を頼んでしまう有様だ。無論オメガを買う金はない。こういう気持ちを慰め、同時にブチ上げてくれるのがプラモであるよ……。

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▲パーツはそんなに多いほうじゃない。エンジンもナシのプロポーションモデルだ。でもシガーライターはパーツ化されていて、こういうところにニコニコしてしまう。

 このプラモ、バキバキの新金型でデビューしたアオシマの最新作。損をしているとすればプラスチックがパキパキの白で、さらに完成見本の写真もツルテーンとした白で塗装されている点だろう。なんかぼんやりとシャープネスに欠け、ちょっと膨張したシルエットに見えるのだ。
 そりゃ2000GTと言えば白なんだが、たとえばオレたちが思う実車というのはもうちょっと古いペンキの白。それにフィルムの色被りやら走っているところの景色やらが写り込んで、もうちょっとこう、「手触り感のある色」であったような気がする。プラスチックでそれを再現するのが難しいなら赤とかシルバーのプラスチックであればボディのアウトラインもハイライトの入り方もカチッとしたものになって、「お、流麗でシャープなプラモだね」という雰囲気が出たんじゃないのかな、と思う。

▲アオシマ2000GTのメッキパーツ

 などとエラソーなことを言いながら箱を開けてビビり散らかした。メッキパーツがめちゃくちゃにシャープなのである。どれくらいシャープかと言うと、ズバリ言ってしまおう。メッキパーツのシャープネスでカーモデルそのもののあり方を変えてみせたタミヤのフェアレディ240ZGと同じくらい繊細な空気を醸し出しているのだ。

▲タミヤ240ZGのメッキパーツ

 アオシマというメーカーはわりと他社の動向とかキットのあり方とかに無頓着で、「オレはオレの道を行くぜ〜」という雰囲気だと思っていたんだけど、パーツの割り方とかメッキパーツの使い方を突如として最先端までガバっと押し上げている。カーモデルを世に送り出しまくってきたアオシマの意地がここに表れている、と感じた。
 こんな素敵なメッキパーツを見ていたら、やっぱりどうしてもボディのシャープネスを確かめたくなった。白い車なんだから白いプラスチックのままでもいいような気はしていたが、2000GTの美しいシルエットをもっと際立たせる色はないだろうか……。ということで、やっぱりビタミンカラーになるのである。「世界に3台あるとされるゴールドの2000GT」の写真を見ながら、黄色と金色と赤を少しだけ混ぜる。

▲一見黄橙色に見えるが、超近づいて見るとゴールドのフレークが入っていている。この感じはオレにしかわからない。でもそれでいい、っていう色。

 まあね、メッキパーツが細いだけで、ボディにパシッと吸い付くようにハマらなければ絵に書いた餅。さて、お手並み拝見ですよ……なんて言いながらニッパーを入れて、ボディに仮組みしてみる……。

▲参りました!

 いやはや、すごいじゃないですか。カーモデルの難所である窓枠の塗り分けを、メッキパーツでビタビタに決めるゴン攻めの姿勢!アオシマの意地がここに炸裂。ボディカラーも相まって、なかなか男前じゃないですか。ちなみにこのプラモ、ボディカラーさえ塗ってしまえばあとはほとんど黒いパーツとメッキパーツでほぼほぼ実車どおりになります。お好きな色を一本携えて、オレのボンドカー(オレがボンドである場合にのみ成立しますが……)を作るのもいいんじゃないでしょうか。っていうかすごいから組んだほうがいいよ。めっちゃびっくりしました。そんじゃまた。

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からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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