その男、かなりマッカートニー。/タミヤ 1/35 イギリス軍用オートバイ BSA M20 MPセット

 ドイツのバイク乗りを情景に仕立てたら、タミヤには「オートバイと男」が結構揃っていることに気付いた。イギリス、日本、アメリカのアニキがオートバイにまたがっていて、立ち姿の男となにかコミュニケーションをしているという構図はメカと人の王道パターンとして、すごく絵になるということなんだろう。

 そうなれば、こんどはイギリスのバイクアニキを同じように仕立ててみたい。バイクは違う色で塗って、また少し雰囲気の違う、どんよりとした曇天を感じるような景色は作れないだろうか。

 このふたり、たしかにアメリカで会う男というより、イギリス生まれのイケメンという雰囲気。生真面目なMPとちょっとにこやかな伝令。パッケージアートとしてもう満点だね。で、塗装はどんな感じなのかとハコを裏返してみる。

 ずいぶん雰囲気の違う二人が現れた。小指の先より小さな顔だから、まあ塗装次第で雰囲気は変わるだろうし、この完成見本を作った人のクセやスタイルが表れているのかもしれないよね。荷物を満載したバイクと、腕の動きが遠くからでも視認できるように白いアームカバーを装着したMP。なるほど、プラモで知るカタチやその国の考え方みたいなのが、ここには詰まっている。

 ハコのサイドにもMPがいた。今度はいきなりシンプルな線画になって、左右2種類ずつの腕パーツを組み合わせることで4つのポーズから選択できることが図示されている。ハコの表ともウラとも違う顔の男がテキパキといろんなポーズを取っていて、そこにまたフフ……と微笑ましい気持ちになる。

 そしてようやくパーツとご対面。右の22番のパーツがオートバイアニキ。ちょっと痩せぎすで彫りの深い表情に哀愁が漂う。そして左、11番のパーツがMPだ。よく見ると、すごくポール。

 外国の人の顔というのは知らないと本当になかなか出身国を区別できないものだが(もちろん顔立ちだけで国籍が特定できるわけじゃないけど、現れやすい特徴や類型というのはあると思う)、ステレオタイプなイギリス顔を探してハコを開けたら「なるほど、こりゃ確かにアメリカの人じゃないな」というアニキに出会ったというわけだ。

 もちろんバイクのパーツはシンプル至極。さっと組んで1日15分ずつ塗れば、たぶん週末にもうひとつ完成品が増やせるだろう。ミニマルなメカであるバイクと、表情の違う二人の男。誰が組んでもそこにストーリーが生まれる鉄板コンビを探しに、模型屋さんに行くのも楽しいものだ。

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。