『境界戦機』の異形ロボ、バンイップ・ブーメランの大トロは金色に輝いていた。

 人間の形をしていないロボットのプラモがどっさりと模型店の軒先に積んであって、思わず購入。ああ、これが新番組『境界戦機』の敵メカなのね!どんなふうに組み上がるのか、組んだあとどんなふうに動かして遊ぶのかがパッと見でわからないプラモは脳に新しい刺激を与えてくれるので大好物です。レッツオープン。

 プラスチックは4色。ほとんどが濃いグレーで、外装はグリーンと白。それぞれのパーツがデカくて、構造もかなり単純化されています。現代的な機能を感じさせる記号に頼らず、リアリティラインを実在メカのそれと切り離すことで「純粋にアニメのメカとして少ないライン&明瞭なシルエットで見せる」という方法が原点回帰的だと思います。

 だからこそ、実在するメカとそれによって説得力をドーピングされてきたロボット(アニメ)を米のメシのように食ってきた我々に語りかけてくる、小さなゴールドのシリンダーパーツがひときわ輝くのです。まったく対話できなさそうなデザインと構造を持つメカの中に込められた、俺たちのリアルロボットがここにある。キコキコ動かして、しばし20世紀のノスタルジアに浸りましょう(だって、ここ「だけ」がシリンダーで動いているというのはかえって”リアル”ではないじゃん?)。

 わずかに前後にスイングする上半身(どこが胴体かは置いといて……)に連動してシリンダーギミックが伸び縮みする。そこ以外は本当にぶっきらぼうで単純な関節の組み合わせで、だからこそフレーム構造が爆速で組み上がるのです。大振りなパーツで異形のメカがサクサクとカタチになっていくのは、こってり味のラーメンと言うよりもむしろ、冷やしぶっかけうどんのようなスピード感と満腹感に近いものがあるな。

 劇中よりもちょっと脚を伸ばして飾ってますが、1/100のガンプラと並べると股関節〜肩関節の距離は大体同じ。ディスプレイするポーズによってボリューム感は変わりますが、ざっくりとしたパーツ割りでそこそこの大きなロボットが組み上がる(しかもご覧の通り、簡素ながらフルフレーム構造)なのは久々の感覚でちょっと興奮します。

 このバンイップ・ブーメランはオセアニア連合所属の無人機という設定。設定のカラーリングは無彩色のグレーとホワイトを除外すれば、グリーンと差し色のゴールド……ということで、これはそのまんまオーストラリアのナショナルカラーの引用なんじゃないかな、と想像できます(サッカーオーストラリア代表のユニフォーム、豪空軍のF/A-18ホーネットなどが思い出されるよね)。

 今回はそのカタチの楽しさで一気に組み上げられたので、そのままの勢いで(ちょっとだけ明度と配色の位置にアレンジを加えた)オレ仕様に塗装。ハコ開けて2時間くらいで組み立て〜塗装まで済ませてしまったので、ここからはロスタイム!パッケージイラストの雰囲気や1/72スケールのメカとしての見栄えなんかを考えて、ここから少し遊んでみることにします。そんじゃまた。

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。