模型趣味に時折流れる時間/AIRFIX 1:24 ハリケーン

 昨日はあまりよく眠れなかった。先日買った写真集などを眺めていたら明け方の3時になったのだけど、9時には目を覚ました。起きてみると、昨晩の「これもう作れない」というぐったり感がなくなっていて、驚いた。「人は寝ると回復する」ということを初めて知った。

 昨晩「もう無理だな」と思っていたところに自然と手が伸びる。

 カウルの指紋、スプレーで塗り切れなかった箇所。シートの塗装漏れ。細かなところに意識が向き、向くことが嫌ではない。私の懇意にしている靴職人が「追い込むのは夜、まとめるのは朝」と言っていたがその言葉の通りにハリケーンはみるみるとまとまっていった。

 NHKでスケートボードの模様を見たり、最近知り合った人に「オススメの漫画は何?」と聞かれたのでそれに返信をして他愛もないやりとりをしながら、完成まで進めた。このときほど模型趣味が優雅なひとときだと感じることは今までなかった。一生懸命に作るのではなく、かと言ってのんびり作るでもなく製作が日常に完全に組み込まれているという、生活の余裕。とても楽しかった。

 完成するまでを振り返ると、思えばnippperの同スケールのメッサーシュミットの記事は非常に参考になった。

 何が参考になったかというと、タミヤのラッカースプレーと同色の塗料ビンの写真だ。どういう意図で載っていたのかはさておき、あの写真はこう言った巨大な飛行機を自由な色で作るときに大事なヒントだ。「好きな色で塗るならば、筆塗りできるラッカー塗料と同色のスプレーがある色を選んだほうがいろいろと楽」ということを私はあの写真から読み取ったのだけど、もしそれを気にせずに好きな色を買っていたら細かなレタッチが大変なことになったと思う。無論、ビンにスプレー塗料を移しとるやり方もあるが、そこで失敗する自分が頭に浮かぶ。

 1/32で言われるような「ビッグスケール」よりもさらに大きい1/24という巨大な飛行機。

 形にするのはそこまで難しくない。ただ、とにかく体力と時間を使う。それをカバーするために色々な道具があって、知恵がある。そういうことがよくわかる。実際、新たに買ったハイキューパーツのペインティングクリップやペインティングベースは道具でミスの時間やそれで消費される体力をカバーしている実感があった。

 このキットが「初めて作るプラモデル」だと流石に頭を抱えると思うが、ある程度組み立ての経験があるのであれば、作ってもいいと思う。今まで作ったプラモ、持っている道具や新たに買った道具(正直な話、持っている模型工具を全部使った)を使って乗り切る。作る前に色々なことを調べて、何が自分にとってヒントとなったのかを感じながら装備を整えるところから製作が始まり、ものすごく巨大な樹脂の塊と向き合うことになる。そこで待っているのは模型趣味の面白さの全てなのかもしれない。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。