

人生には周期的に「その日のうちにF-104の形を見ないと我慢ならん!」という日が訪れるのですが、それがついこの間の話。なにぶん私はF-104が大好きなのでいつか絶対にめっちゃかっこいいマルヨンを作ってやろうと心のなかにとんでもなく巨大な理想像ができあがっているためそのコダワリに耐えられなくなると「とりあえず貼る」という行動に出てそのガス抜きをしておるっちゅうワケ。
そんでもってAmazonには在庫がないから上にアメリカ空軍仕様のリンクを貼っておるのだけど、この間秋葉原のボークスでふと手にしたのがアカデミーのF-104G。たぶん900円くらいで買った。安い。そしてハコを開けて快哉。胴体のアタマからオシリまでパッカーンと二枚におろされたマルヨンが「すぐに組んでください」と語りかけてくるではありませんか。

正直に言うね。パッと見でもう実機にはあんまり似てないわけです。どこからどう見てもF-104の半身であることにはちがいないんだけど、そこかしこがアヤフヤなカタチであることは一目瞭然。なんせ私はF-104がめっちゃ好きなので……。しかし似てないとか不正確とかそんなことはもうどうでもよくなるわけです。このダフト・パンクのギ=マニュエル・ド・オメン=クリスト(金色のほう)みたいなパイロットを見たら「これはそういう解像度のプラモデルなのでそういう解像度で楽しみます」という気持ちになればいいのです。

そして何より西ドイツ海軍のデカールが入っているのがまた渋いじゃないですか。西ドイツて。海軍て。なんで海軍がマルヨン使ってたん?とか言いながらWIkipediaをむさぼり読む時間だって、立派なプラモデル趣味のど真ん中なわけです。いますぐ塗って貼ってもいいし、これはいつか他の会社のキットに貼ったって良いわけでしょ。デカールだけを900円で買うとかふつうはできませんので、これはもう機体のほうが実質無料と言っても過言ではない。

ひたすら接着剤で貼ると、あっという間にF-104にしか見えない飛行機が目の前に現れます。脚収納庫とかないので胴体の中身のがらんどうが丸見え……みたいなレビューも散見されますが、この角度で見たらそんなん気にならんし、なによりいまこの瞬間にF-104を組み立てて「いやーやっぱりかっこいいな〜」とか言ってるのがめっちゃ楽しいわけです。

実機形状に対する正確さを求めるなら他にも選択肢があるわけだけど、しかしこのスピードで形になるF-104のプラモデルはないのです。正確であるか、高速であるか、今の自分を高揚させるか、明日の自分を満足させるか。あと安いか高いか。プラモデルの面白いところは「こっちのほうが正しいのでそれ以外は全部いりません」とならないところで、その日の気持ちにフィットしたいろんなタイプの製品からチョイスして、自分の責任で自分の機嫌が取れるところにあるんじゃないかなと思ったわけ。そんじゃまた。